【業界研究】バイク/二輪車業界の現状・動向・課題について

業界の現状

二輪車業界の歴史

戦後から高度経済成長期にかけての多数の二輪車メーカーよる熾烈な競争によって形づくられたのが二輪車業界です。

世界の二輪車生産台数は、1960年代に入って大きく伸び、74年に年間1,000万台を突破しました。80年代にやや停滞するも、90年代に突入してからの中国やインド、東南アジア諸国の経済発展とともに再び拡大の様相をみせ、95年に2,000万台に到達すると03年に3,000万台を超え、近年では5,000万台前後で推移するようになりました。約半世紀もあいだにその生産量は5倍近くに膨れ上がったのです。

現在、二輪車生産台数のトップはインドと中国に移っていますが、二輪車産業を支え牽引してきたのが日本の二輪車メーカーであることに間違いはなく、15年の時点でも日本メーカーのシェアは約45%と高い比率を誇っています。

世界の主要二輪車メーカー

日本

日本国内では4社による寡占状態となっていますが、国内生産台数はピークである1982年の1割程度に減少しています。

  • ホンダ:世界首位。アジアを中心に世界各国で高いシェアを誇る
  • ヤマハ発動機:世界2位。海外での売上の9割を占める
  • スズキ:デザイン、性能ともに個性的なモデルが多い
  • 川崎重工業:中小型のスポーツモデルに強み

インド

2014年に生産台数で中国を抜き、世界トップになっています。

  • ヒーロー・モトコープ:インド最大手。11年にホンダとの提携解消し独自路線へ
  • TVSモーター:13年にBMWと提携
  • バジャジ・オート:ホンダに敗れシェア4位に

中国

11年を境に、二輪車需要、生産台数ともに下降の一途をたどっています。

  • 江門市大長江集団:中国最大手
  • ロンシン・モーター:川崎重工と提携
  • 五羊-本田摩托:ホンダとの合弁会社

欧米

  • ハーレーダビッドソン(米):高価格帯の大型モデル中心
  • BMW(独):高価格帯モデル中心。性能と乗りやすさに強み
  • ドゥカティ(伊):四輪大手フォルクスワーゲン(独)が出資

基本情報

  • 市場規模:3兆1,806億円
  • 労働者数:63,479人
  • 平均年齢:40.9歳
  • 平均勤続年数:18.2年
  • 平均年収:690万円

国内の市場規模が大きく縮小したことでさまざまなメディアに取り上げられることも多い二輪車業界ですが、上記の数字だけをみるのであれば決して悪い数字ではありません。平均勤続年数が長く、平均年収も日本の給与水準を大きく超えていますので、業界としては安定している部類に入ります。

ただ、やはり問題なのは国内での二輪車の販売台数の低迷であり(海外での販売台数は堅調で推移)、そういった現状を打破できるかどうかに業界の未来がかかっているといってもいいでしょう。

仕事内容

二輪車業界の職種は、主に技術系と事務系に分けることができます。

技術系

研究、開発、製造、販売等に分類されます。

  • 研究:将来のヒット商品を作るための技術開発を行う仕事です。現在使われている技術の応用から、新しい分野を切り開くことを目的とした研究まで、その内容は多岐にわたります。
  • 開発:商品を企画し、それを図面化する仕事です。デザイン性、機能性、コストといった問題をクリアしながら、漠然としたアイデアを目に見えるカタチにすることが求められます。
  • 製造:開発部門で作成された図面をもとに生産の工程設計をし、材料や部品を調達して、製品を製造していく仕事です。また、製品を製造するのに必要な生産設備等の開発も行います。
  • 販売(営業):世界のさまざまな市場に対して製品を提案する仕事です。二輪車業界は海外売上比率の高い業界ですので、海外の現地拠点や未開拓地域を中心に販促活動を行います。

事務系

財務、経理、人事、物流、広報等に分類されます。モノづくりを縁の下で支える仕事が中心になります。

業界シェアランキング上位3位

1位:ホンダ:1兆6,636億円
2位:ヤマハ発動機:9,282億円
3位:川崎重工業:3,222億円

平均年収ランキング上位3位

1位:ホンダ:765万円
2位:川崎重工業:700万円
3位:ヤマハ発動機:691万円

業界の動向

若者の二輪車離れ

国内二輪車販売台数の減少が続くなか、二輪車業界大手はさまざまなキャンペーンを行っています。

ホンダは、低金利キャンペーンを展開し、若年層が買いやすい低排気量のモデルから取り込みを図っています。また、川崎重工業は、人気の小型二輪車「ニンジャ」用品のキャンペーンを展開し、ニンジャ対象車種を購入した人に、購入店で使えるクーポンを配布するなど、新規顧客獲得に注力しています。

小型スクーターの品揃えが充実

ヤマハ発動機は、排気量125cc以下の小型スクーターの品揃えを拡充しています。

小型スクーターは通勤・通学向けのモデルがほとんどでしたが、最近では、レジャーツーリングに使えるモデルが増えているのがその特徴です。スクーターを自分好みにカスタマイズする人も増えており、同社は、デザイン性や走行性能を高めて、通勤・通学以外の利用を広げたい考えです。また、教習所での試乗会を実施するなど新規ライダーの開拓も行なっています。

ハーレーの若者向けモデル

米大手メーカーのハーレーダビッドソンといえば、長距離走行に適した排気量1,000ccを超えるモデルが有名ですが、同社は2014年に750ccの「ストリート750」を発売しました。

これは日本の若者をターゲットにしたバイクで、街中で走りやすくするために従来のハーレーよりも小回りがきくように設計してあるとのことです。若者向けのモデルを発売した理由は、ユーザーが高齢化し、ビジネスの維持には次世代顧客の育成が必要不可欠となっているためです。

市場動向

二輪車業界の国内市場規模は縮小基調

日本自動車工業会によると、2015年の二輪車国内販売台数は372,696台で前年比10.5%減と大幅な減少となりました。

二輪車の種類別では、原付第1種(50cc以下)が同15.3%減、原付第2種(51〜125cc以下)が同1.5%減、軽二輪車(126〜250cc以下)が同8.6%減、小型二輪車(251〜400cc超)が同7.8%減とすべての種類で減少となっています。

業界の課題

二輪車の魅力が伝わっていないことへの対処

二輪車業界が活況を呈していた時代は、若いときに原付スクーターなどの小型バイクにはじめて乗り、年齢が経つとより大型のバイクに乗り換えるという好循環がありました。

日本自動車工業会の「二輪車市場動向調査」によると、新規ユーザーの期待以上の満足が得られた項目には、「乗っていて爽快感を感じることができる」「開放感を味わうことができる」「スピード感を楽しむことができる」が上位にあげられており、二輪車が体感価値の高い商品であることが再確認できます。

以前のような好循環が生まれにくくなっている現在、若い人たちに二輪車の魅力を知ってもらうための啓蒙活動が重要になっています。

二輪免許試験受験者数の減少

警視庁「運転免許統計」によると、2015年の大型二輪、普通二輪、原付の運転免許試験受験者数は213,326人で前年比10.0%減となりました。2008年から2015年までの推移を見ても7年連続で減少しており、二輪免許試験受験者数の減少に歯止めがかからない状況となっています。

その理由としてはとうぜん少子化があがると思いますが、決してそれだけが理由ではないというところにこの問題の難しさが存在しています。

業界の今後の将来性

政府の二輪車再興政策

経済産業省は、2014年に自動車産業の国内市場の再興やグローバル展開の推進を目的として「自動車産業戦略2014」を発表しました。

同省はこのなかで、二輪車の駐車場整備、高速道路料金(ETC)、国際基準から乖離した原付第一種の扱いなどの免許対応、若者層の新規開拓等について重点的に取り組むとし、2020年までのバイク国内販売台数を100万台、世界シェアを50%との目標を掲げています。

国内バイクの新車販売台数をピーク時(1982年)の320万台にまで回復させることは人口減少などの理由から難しいといわざるを得ませんが、二輪車業界として存在価値を発揮することは重要であり、今後の二輪車業界の動向に注目が集まっています。

ユーザーニーズの変化に対応できるか

日本自動車工業会「二輪車市場動向調査」によると、国内二輪車ユーザーの平均年齢は年々上がっており、50代以上が二輪車ユーザーの6割を占めているとのことです。また、買い替えユーザーの使用年数も平均6.6年と長期保有の傾向が強まっており、とくにスクーターの50cc以下でその傾向が顕著になっています。

二輪車業界としては、二輪車の楽しみ方の提案やレンタル事業の展開等も行いながら、新しいニーズ開拓に向けて対策を取らなければなりません。たとえば、軽二輪・小型二輪市場で人気が出てきている「ロードスポーツバイク」を海外で生産し、世界戦略車として世界展開させるのも1つのアイデアです。

海外で生産することにより低価格化が可能となり、インドや東南アジアといった新興国でのシェア獲得につながるはずです。日本に逆輸入すれば、若者層の新規開拓もできるかもしれません。また、それと同時に、増加している50代以上の二輪車ユーザーや女性ユーザーのための環境づくりも急務で行わなければならない課題といえるでしょう。

おすすめの業界研究本

『日経業界地図 2017年版』日本経済新聞社

日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。

『会社四季報 2017年 2集春号』東洋経済新報社

国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのが人気の理由です。

『本田宗一郎 夢を力に』本田宗一郎

ホンダの創業者である本田宗一郎の生涯を本人の自伝を中心に描いたものです。ただの町工場がどうやって「世界のHONDA」になったのかの答えがここにあります。純粋な意味での業界研究本ではありませんが、バイクや車、そしてホンダというメーカーが好きな人にも、そうじゃない人にもおすすめの1冊です。

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