【業界研究】銀行業界の現状・動向・課題について

銀行業界の現状

平成19年に入るまで、銀行業界は、バブル崩壊に伴う不良債権の処理や大型金融グループの間で行われた再編・合併に追われていました。しかし、平成19年以降は安定期に突入して、着実に事業を拡大する企業が増えていきました。

しかし、アメリカで発生したリーマンショックに伴い、日本の株価は暴落することに。この影響を受けて、銀行業界を形成する各社ともに業績が著しく低下することになりました。平成20年になるとメガバンクを中心に巨額赤字を計上する事態にも発展しています。

このような動きを受けて、メガバンクは運用面での安全性を重視するようになりました。国債を大量に購入したのもその動きの1つです。ヨーロッパの経済不安やアメリカの景気後退などを受けて、比較的安全である日本の国債を買おうという考えが強くなったのが背景にあります。

また、国際が価格を上昇したことにより、メガバンクの業績は回復する傾向が出てきました。平成23年以降は、どの会社も順調に業績を戻しつつあります。

一方、地方銀行はどうだったかというと、メガバンクに比べて回復のスピードが遅かったのは事実ですが、平成23年頃から業績を順調に回復しています。地方銀行とメガバンクともに業績をこれからも伸ばしていく見通しを立てており、成長の可能性がある業界で働きたい学生におすすめです。

現状1:基本情報

銀行業界の中にも、海外に拠点を新たにつくる企業が増えています。平成25年12月、三菱UFJ銀行がタイのアユタヤ銀行を買収しました。また、平成26年3月には、三井住友銀行がインドネシアの中堅銀行に出資をして、40パーセントという保有比率を獲得しています。

ほかにも、メガバンクの中で海外に事業を展開する企業が年々増えています。それらの企業のターゲット先はベトナムやインドネシア、タイ、マレーシアなど東南アジア各国になります。海外拠点の増設だけではなく、現地法人と記憶もなどさまざまな形で強化を推進しています。

これからも各社のグローバル化はいっそう加速していくものとみられており、銀行業界自体も、業界の再編が行われる可能性も出てきました。

業界研究をする上では、過去や現在のことを調べるだけではなく、銀行業界を構成する各社の動向をしっかり調べておくことも大切になります。以下に銀行業界を構成する105社のデータをもとに業界の情報を作成しましたので、業界研究の参考にしてください。

  • 業界規模:21兆9,352億円
  • 労働者数:150,018人
  • 平均年齢:39.7歳
  • 平均勤続年数:16.2年
  • 平均年収:641万円

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位:三菱UFJフィナンシャル・グループ

売上高は5兆1,761 億円。三菱東京UFJ銀行の運営をはじめ、さまざまな店舗を設けており、変わり続ける世の中からのニーズを確実にとらえ続けています。網の目のように張り巡らされたサービスは、銀行業界の中でも、特に充実したものと認知されており、三菱UFJフィナンシャル・グループのビジネスモデルを参考にする競合他社も少なくありません。

いわば銀行業界のこれからを作る企業といえます。学生の間でも非常に人気が高く、三菱UFJフィナンシャル・グループへの入社を目指す人たちは年々たくさんいます。

第2位:三井住友フィナンシャルグループ

売上高は4兆6,418億円。三井住友銀行の運命を中心としながら、カードローンや各種積立ローンなど、様々なサービスを創造し、かゆいところに手が届く存在として、多くの法人・個人を支えています。三井住友という世の中でも高い知名度も業績の構造における追い風となっています。新生活を始める際に三井住友銀行で通帳を作る人は全国で多く、現在進行形で利用者の数を増やし続けています。

第3位:みずほフィナンシャルグループ

売上高は2兆9,277億円。みずほ銀行を中心としたグループになります。全国規模の事業を展開しており、北は北海道、南は沖縄まで支店を設けています。

きめ細やかなサービスを展開してくれる企業として知られており、多くの法人・個人の間で「融資を依頼するならみずほフィナンシャルグループと決めている」という人も少なくありません。企業としても磐石な経営基盤を確立しており、これからも銀行業界全体を牽引する企業として注目を集めています。

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位:三井住友フィナンシャルグループ

平均年収は1264万円。業界2位のグループは、業界1位の平均年収を誇る企業でもあります。企業規模だけでなく、社員は安心して長く働けるようにと、様々なケアを施している企業としても知られています。

魅力的な待遇・福利厚生は、銀行業界の中でも充実したものとして知られており、多くの人たちも人生を支えています。これからも、職場環境の整備をさらに推進にして、銀行業界のさらなる改善に貢献していきます。

第2位:三井住友トラスト・ホールディングス

平均年収は1174万円。三井住友グループの一員であるこの企業は、磐石な経営基盤を確立していることで知られています。また、多くの従業員が働いており、平均年収だけではなく平均勤続年数も長いことで知られています。

銀行業界の中で腰をすべて働きたいと思っている学生の方は、ぜひ業界研究のテーマとして採用してみてください。きっと、銀行業界の知られざる一面をたくさん見ることができるでしょう。

第3位:三菱UFJフィナンシャル・グループ

平均年収は1046万円。業界最大手のメガバンクは、従業員に利益を可能な限り還元する企業でもあります。待遇・福利厚生の面でも独自の制度を多数確立しており、多くの従業員が長く働けるような職場環境をつくっています。

銀行業界の中でも働く人に優しい会社として知られているのが、三菱UFJフィナンシャル・グループです。銀行業界を構成する多くの会社の待遇・福利厚生を調べる面で、三菱UFJフィナンシャル・グループを業界研究の対象にするといいでしょう。

業界の動向

日本の経済は、海外経済の減速や失速を要因として、2012年の夏場以降に不安視されていたところがありましたが、近年の円安・株高などにより、少しずつ心理面における不安な点は解消されてきています。

その一方で、ヨーロッパにおける債務問題のこれからの展開や、アメリカの経済の回復力、日中関係の友好化など、これからも日本の経済に大きな影響を及ぼす問題はまだまだたくさん残っています。それだけに、銀行業界全体としても、現状にあぐらをかくことなく、さらなる業界の経営基盤の強化を推進していく必要があるでしょう。

このような背景を踏まえて、日本の銀行は、財務体質の強化や合併・統合などを通じた組織再編などに力を入れています。また銀行業界内だけではなく、法人や個人など取引先に対してもきめ細やかなサービスを確立して提供するなど、様々な動きを見せています。

銀行業界内でどのようなポジションを構築するか。また、取引先にむけてどのようなアピールをして、更に売上を伸ばすか。銀行業界に属する各社の動向は、世の中からも大きな注目を集めています。

動向1:市場動向

預金と貸し出しの面で見ると、預金においては、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行が強く、その数字として約4.2パーセントというものがあります。また貸し出しにおいては地方銀行が都市銀行よりも伸び率がいて、地方銀行に注目する法人や個人も着実にふえています。

そんな中、預金と貸し出しともに好調な信託銀行になります。三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、つい住友信託銀行、野村信託銀行の良さは預金が約8.6パーセントで、貸し出しが約6.3パーセント増加しています。これらの事実から見られるのは、預金が信託銀行にシフトしつつあるということです。

消費者の考えやニーズは常に変化を続けており、リアルタイムでそれらを抽出できることがさらなる成長のカギになると思われます。

動向2:業界の課題

バブルが崩壊してから、銀行の金利は著しく低くなりました。それにより「銀行にお金を預けても、あまり意味がないのでは」と考えるユーザーが年々増えており、これからはユーザーが銀行にお金を預けない時代がもしかしたら降るかもしれません。

銀行業界全体としては、さらなる成長を考えた場合に、金利のアップなどを通じてユーザーにとって魅力ある銀行づくりを推進する必要があります。

また、不景気の影響もあって、ユーザーにとっては日本の銀行業界全体が貸し渋りの状態にあるのでは、という考えも強くなってきています。事実、リスクを軽減して安全な経営を求めて、貸し渋りを実施することも少なくありません。これは銀行業界そのものも構造に相反するものになります。

なぜなら、銀行業界は、貸付によって発生する利息が利益になるので、貸し渋りをすると銀行業界全体の業績が落ち込むことになるのです。大切なのは、貸し渋りをすることなく、安定した経営ができるようになることです。そのために、銀行業界を形成する格差は、経営体制そのものを進化させる必要があります。

動向3:業界の今後の将来性

一時期、アメリカのリーマンショックの影響を受けて、業績が著しく落ち込んだ銀行業界ですが、ここ数年は回復傾向を見せています。それだけではなく着実に業績が伸びている会社も多くなってきました。

しかし、世界を見ると、情勢はリアルタイムで変化しています。近年はグローバル化の波が押し寄せており、銀行業界としても業界全体の成長を実現するためには、グローバル化を推進する必要があります。

前述したとおり、大手企業は海外への進出を推進しており、これらの動きがロールモデルになり、銀行業界を構成する他の会社にも浸透していくことが期待されています。業界研究をする上では、銀行業界とグローバル化という観点で詳しく研究してみることも推奨します。

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