【業界研究】証券業界の現状・動向・課題について

証券業界の現状

平成18年まで業界規模は継続的に上昇してきました。しかし平成19年以降になると、少しずつ減少に転じていき、平成23年頃から業績が回復していきます。これが、証券業界の市場の動向になります。

これまで多くの好景気不景気の波をうけてきた証券業界ですが、平成20年9月に起きたリーマンショックは、証券業界全体にも大きな影響をもたらしました。業績は最悪にまで落ち込み、各社ともに赤字計上をする事態にまで発展しました。

しかしその後、非常に好景気の波が起こり、経済の活性化や株式市場の回復が証券業界に少しずつ追い風をもたらすことになってきました。各社の業績も少しずつではありますが回復してきており、平成25年以降は、株高傾向になってきています。売買の手数料が増えてきて、各社ともに順調に業績を回し続けています。この傾向は現在も続いており、証券業界全体は今、大きな賑わいを見せています。

現状1:基本情報

証券業界で頻繁に行われているのが、企業の統合です。平成21年5月には、みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券と新光証券が統合して、新みずほ証券が誕生しました。

また同じ時期に、三井住友フィナンシャルグループはシティグループから日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の事業を買収しました。同時に、事業の統合を行い、新しい体制で証券業界におけるビジネスを展開しています。もう一つ、証券業界にとって大きなM&Aがあります。

それは、三菱UFJフィナンシャルグループが実施した、三菱UFJ証券とモルガンスタンレー日本法人を統合したことです。これによって誕生したのが三菱UFJモルガン・スタンレー証券。平成22年4月の出来事でした。これ以降も、様々な再編を見せる証券業界。その中で強さを発揮してきたのがメガバンクです。

外資の買収と銀行資本並列化を推進して、証券業界において新たな構造をつくろうとしています。下記に業界データを記載します。業界規模は下記対象企業一覧(証券業界)42社の営業収益の合計を表しています。

業界規模:3兆9,006億円
労働者数:7,551人
平均年齢:40.6歳
平均勤続年数:9.3年
平均年収:761万円

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位: 野村ホールディングス

売上高は1兆8318億円。テレビCMなどでも知られている会社です。「証券取引をするなら野村ホールディングスだ」と話す人や企業も少なくありません。その信頼度の高さは業界1位の売上高に現れています。これからも証券業界は、野村ホールディングスの一挙手一投足に注目し続けていくことでしょう。

第2位:大和証券グループ本社

売上高は6428億円。歴史ある証券グループとして知られています。株などをする布団中で大和証券を知らない人はおそらくいないでしょう。それだけ実績を積み重ねてきた企業であり、一つ一つの仕事に対する信頼は非常に高いことで知られています。浮き沈みの激しい証券業界の中で、紆余曲折がありながらも、ここまで事業を拡大してきたことは、企業力の高さを証明する事実でもあります。

第3位: 三菱UFJ証券ホールディングス

売上高は4877億円。三菱UFJという知名度は、証券業界の中でも高く、安心の代名詞としても使われるようになっています。業績も着実に伸ばしており、証券業界の中でもトップに位置する企業になりました。これからも、さらなる成長が期待される企業として認知されています。「ダイナミックな仕事をしたい」と考えている学生は、ぜひ、業界研究の対象にしてみてください。

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位: 野村ホールディングス

平均年収は1488万円。業界規模だけではなく、平均年収の面でもトップに立つ野村ホールディングス。成果を出すチャンスは非常に多く、また、それは評価してくれる制度も確立されています。また、密度の濃い仕事を経験できるので、「自分を磨きたい」と本気で考えている人には絶好の会社であるといえます。

第2位: シティグループ・ジャパン・ホールディングス

平均年収は1470万円。規模の面ではトップ3に入ることがなかったのですが、平均年収の面では、業界きっての数値を誇ります。これは、利益は社員に還元するという会社の考えが表れている証拠。「出した成果に応じて収入をあげられるので、高いモチベーションで働くことができます」と話す社員も少なくありません。また、待遇・福利厚生にも力を入れている企業として証券業界内で知られています。

第3位: 三菱UFJ証券ホールディングス

平均年収は1231万円。全体的に平均年収が高いことで知られている証券業界ですが、三菱UFJ証券ホールディングスは、その中でも年収が高い企業として知られています。また、年収だけではなく、待遇・福利厚生についても、充実化を推進しており、働きやすい会社づくりがされています。それだけに、腰を据えて働く人が多いのも、三菱UFJ証券ホールディングスの特徴です。

業界の動向

社会の動向の影響を受けやすい証券業界。近年はアベノミクスによる株式相場の復調により、証券業界を構成する多くの会社が売上と利益を伸ばし続けています。

しかし、また景気が悪くなれば、証券業界全体も冷え込むことが避けられません。消して地盤が満足ではない業界ではありますが、今、金融庁の指導により、証券各社の営業スタイルの見直しを推進しています。

最近では、顧客に長期的な保有を促進する営業への転換を推進しており、業界全体内に新しい風が吹きつつあります。決して単純な構造にはなっていないのが証券業界です。

動向1:市場動向

現在、証券業界で認識されているのは、自己勘定による株式トレーディングが大きな曲がり角を迎えていることです。トレーディングに適している銘柄の値動きが小刻みになり、売買による収益率も低下してきました。

また、外資系証券会社などがHFLというコンピュータを駆使した大量発注・高速度取引を実現するシステムを採用することで、勢いをつけつつあります。証券業界は世界とつながっている業界でもあるので、日本国内の動きだけではなく、海外各社の動きも業績に大きな影響をもたらします。業界研究をするときは、海外の証券会社を調べてみましょう。

動向2:業界の課題

グローバル人材の育成

証券業界のなかでも、海外の企業と取引をするケースが少しずつ大きくなってきました。自社の強みを積極的にアピールして、かつ、相手に確実に伝えるためには、語学に堪能で各国の文化や慣習を理解している人材が必要可決になってきます。これから証券業界全体のグローバル化が推進されると、グローバル人材の採用や育成などが大きな問題になってくるでしょう。

「では、国内の事業にもっと注力すれば、グローバル化を推進する必要がなくなるのではないか」と考える人もいるかもしれませんが、そうはいかないのが現状であるといえます。これから証券業界全体がさらに成長するためには、グローバル化の推進は必要不可欠。経済状況の変化が大きな影響をもたらす業界だけに、事業の柱を複数作っておくことが重要になります。

情報提供の強化

社会が証券業界に求めることが、年々、変化し続けています。そうなると証券業界側にとっては、顧客対応力をさらに強化することが重要になってきます。例えば情報提供の強化は絶対に実現したい課題。インターネットを利用した情報提供の方法や環境づくりをすることが求められてくるでしょう。

そのためには莫大なコストがかかるケースもあります。それに対して、「将来の投資だ」と腹をくくり、投資を実行できる会社は、今後、更に成長して行くのではと言われています。

再編

近年、メガバンク主導で証券業界全体において様々な再編がされています。この傾向で判断できるのは、今後、証券業界において、勝ち組と負け組の区別がより明確になることです。これから就職活動する皆さんは、ぜひ、業界研究を入念に実施して、将来性のある企業選びをしていくことが求められるでしょう。

動向3:業界の今後の将来性

これからも証券業界の中では、グローバル化とM&Aが推進されていくことでしょう。特に後者については、企業統合をすれば誰もが生き残れるわけではありません。企業としても、業界全体を分析して、本当に力のある会社を見極めていく必要があります。

そのためには、社員一人ひとりの成長が必要不可欠。普段、営業活動をしていると、どうしても目標を追うことだけにとらわれがちになるものです。そんな中、会社として、業界全体の理解を促すために、研修を開催したりするなど、様々な取り組みが必要になってくるでしょう。

また、M&Aなどで、証券業界全体がどのような姿になるのかは、おそらく誰も明確にイメージできていないと思います。多くの可能性を秘める証券業界ではありますが、今後の動向については、不透明な部分が多いのも事実。証券業界を構成する多くの企業は「初の挑戦」を求められるケースが多くなるのは確実です。もちろん右手が成功するわけではありません。

失敗することも多くなってくるとは思いますが、そこで重要になるのが企業としての体力になります。それは決して企業規模がすべて、というわけではありません。その企業は、イノベーションを起こすことができるか。大胆な挑戦ができるか。企業風土を調べることも、業界研究では大切になってくるでしょう。

おすすめの業界研究本

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