エントリーシートの「長所/短所」の書き方|「強み/弱み」との違い

エントリーシートの長所の書き方

エントリーシートには「長所」や「短所」を記入する欄が用意されていることがあります。自己PRや経歴などの欄を埋めることに目がいってしまいがちですが、長所・短所を書く欄もまた企業にとっては採用の可否を決める重要な項目です。

長所・短所欄を軽んじると採用試験では減点対象になる場合もあるため、正しい書き方を学んでおきましょう。まず、ここでは長所欄の書き方からご紹介します。エントリーシートに長所を書くときのポイントは、「具体的なエピソードを絡める」ことです。

その長所はどのようなきっかけで伸ばすことができたのか、またその長所のおかげでどのような実績を残すことができたのか等、実際に起こったエピソードを挙げて説明しましょう。仮に「私は協調性があります」と書いたとしても、何の根拠も提示できなければ信じてはもらえません。

「協調性がある」ことで「どのような経験をしたのか」を書くと、長所としての信頼度が増します。事項はエントリーシートにおける長所欄の書き方の例文です。エントリーシート作成中の就活生の皆さんは、自分の長所と照らし合わせて参考にしてみてください。

エントリーシートの長所の例文

「協調性」が長所の場合

私の長所は協調性が高いことです。自分は仲間のために何ができるのかを常に考えて行動します。協調性が役立ったと感じたのは、昨年行われたインターンシップでのことでした。私は初対面のメンバーと共に同じコールセンター業務につきましたが、最初の数日間はノルマ達成に至りませんでした。

作業効率が低い原因はチーム間の連携の低さにあると考えた私は、業務終了後にメンバーを集めて話し合いの場をもちました。狙い通りチームが連携して作業できるようになり、以降は一気に作業効率を上げることができました。初日の対応件数は38件でしたが、最終的には対応件数を75件まで上げることができました。

「責任感」が長所の場合

私の長所は責任感の強さです。大学時代には自らボランティアサークルを立ち上げ、不法投棄の多さが問題となっていた海岸の清掃に尽力しました。片づけるだけでは不十分だと考えた私は、不法投棄禁止を訴える看板を設置し、深夜には見回りを行いました。

途中で投げ出さず、不法投棄が根絶されるまで徹底的に活動することが大切だと考えてのことです。結果として、海岸のゴミの量は激減し、今年に入ってから不法投棄は確認されていません。やはり最後まで責任をもって物事をやり遂げることは最良の結果につながるのだと確信した次第です。

「明るい」が長所の場合

私の長所は明るい性格です。子供のころから持ち前の明るさで、周囲を笑わせることを得意としてきました。私は学生時代コールセンターで苦情処理のアルバイトをしていた経験があり、性格の明るさはその時にも大いに役立ちました。苦情処理という仕事柄、職場は暗い雰囲気になりがちだったのですが、私は常に明るく振舞いました。明るく振舞うことは、周囲のムードを保つことに役立つと考えているためです。

常に明るく振舞う私を、当時の上司には高く評価していただきました。くよくよ落ち込まずに対応を続けたことで、昨年度の受電件数は部署全体で25%アップさせることもできました。

「笑顔」が長所の場合

私の長所は笑顔です。笑顔は人と接するための基本だと考えています。アルバイトで勤務していたファーストフード店でも、常に笑顔での接客を心がけました。

その結果、私の勤務していた店舗がグループ内で最も接客態度の良い店舗であるとして賞を頂きました。私個人ではなく店舗全体で頂いた賞ですが、受賞理由の中に「店員の○○さんの明るい接客態度」という私個人を評価して頂いたのが嬉しかったです。

笑顔で人と接することは、周囲の空気を明るくすることに繋がります。接客中だけでなく、仕事仲間とスムーズな連携をとるためには、明るい笑顔が大切だと考えています。

「思いやり」が長所の場合

私の長所は思いやりを大切にしていることです。常に相手の立場に立って考える力は、チーム間の連携をとるために必要不可欠だと考えています。大学時代、私はオーストラリアに留学した経験があります。海外の方とコミュニケーションをとるためには英会話能力だけでなく、相手を思いやることが大切だと感じました。

相手が何を思い、何を求めているのかを感じ取ることで、英会話能力が低くとも、相手とコミュニケーションをとる事ができます。初対面の方とも思いやりを持って接する力は、ビジネスでも役立つものだと考えています。

「おおらか」が長所の場合

私の長所はおおらかな性格です。おおらかな性格は他人の意見を蔑ろにせず、冷静沈着に物事を考えることに役立っていると考えています。私は学生時代、校内でのイベントを主催するサークルに所属していました。メンバー内で意見が対立することも少なくありませんでしたが、私は常に客観的に判断し、中立を貫きました。

双方の意見を冷静に判断し、メリット・デメリットの両方を分析できる仲裁の役割は、おおらかな性格の私に適していたのです。意見が対立した時には必ず私が中間に立ち、互いに納得のいく解決策を模索しました。おおらかな性格は、円滑な話し合いを進めることに役立ったと自負しています。

「観察力」が長所の場合

私の長所は観察力の高さです。達成困難に見える物事も、よく観察して対応策を練ることで解決できると考えています。家庭教師のアルバイトをしていた時には、観察力を活かして生徒の成績を向上させることに成功しました。

生徒が小テストや練習問題を解くプロセスを観察すると、間違えやすい問題やミスの傾向を探ることができます。苦手な部分を見つけることが出来れば、あとはそこを集中的に教え、苦手を克服することができました。こうして対策を練った私の生徒は、苦手だった数学で学年10位に入ることができました。

「気配り」が長所の場合

私の長所は、細かいところまで行き届く気配りです。相手が求めることを察知することで高い信頼関係を築くことができます。私は学生時代、ホテルでのアルバイトを経験しました。宿泊されるお客様にはそれぞれ異なった事情があり、満足して頂くには細かい気配りが大切だと考えた私は、上司にルームサービスメニューの改善を提案しました。

家族連れのお客様には子供向けメニューを目立ちやすく、ビジネスのお客様にはお夜食のメニューを分かりやすくしたメニュー表を別々に用意しました。改善後はルームサービスの注文数が2倍に増え、「メニューが分かりやすく改善されて頼みやすくなった」との声も頂きました。

「几帳面」が長所の場合

私の長所は几帳面なことです。何事もコツコツ確実に行うことができ、仕事上でのケアレスミスが少ないと自負しています。ミスを最小限に抑えて細かいチェックができるため、事務作業が得意です。学生時代には実際に事務関係のアルバイトも行っていました。

細かい計算の多い売り上げ管理では、集中力を保って細かいところまで確認作業をすることが大切です。私は持ち前の几帳面さを活かし、自分が行った業務にミスが無いか、必ず最終チェックを行うようにしています。アルバイト中に一度も金額の誤差を出さなかったことは私のなかで大きな自慢です。

「聞き上手」が長所の場合

私の長所は聞き上手であることです。自分の主張ばかりを通そうとするのではなく、必ず相手の意見を聞いてから物事を判断することができます。所属していたダンスサークルでは、振り付けに関してメンバーの意見が対立したことがありました。

しかし、私は頭ごなしに意見を否定せず、相手側の意見を聞くことに努め、互いに納得のいく解決策を見つけることができました。冷静に話合って完成したダンスは、昨年行われたコンクールでも3位に入賞するほど良い出来になりました。この一件は私の「相手の意見は必ず最後まで聞く」という信条を強めるきっかけとなりました。

「計画性」が長所の場合

私の長所は計画性があることです。緻密な計算に基づいて行動すれば、大きな目標もやり遂げることが可能だと考えています。私は学生時代、海外留学を目指していました。カナダに半年間留学するためには100万円ほど必要だと知った私は、高校一年生の頃からアルバイトをはじめ、留学費用を貯めることに尽力しました。

ひと月に貯めなくてはならない金額を計算し、無駄使いをせずに貯金した結果、高校三年生までに目標額を貯めることができました。計画通りに進めれば大きな目標も達成できると知った経験は、私の人生に大きな影響を与えています。

「継続力」が長所の場合

私の長所は継続力があることです。継続力は物事を成し遂げるために最も必要な資質だと考えています。私は5歳のころにピアノを始め、現在まで毎日欠かさず練習を続けています。

身長が低く手が小さいためにピアノには不向きだと言われていた私ですが、これまでピアノを投げ出そうと思ったことはありません。絶えず練習を続けたことで、昨年行われたコンクールでも入賞することができました。「継続は力なり」という言葉は、私の座右の銘でもあります。

エントリーシートの短所の書き方

エントリーシートに短所を書くときのポイントは、「裏返せば長所になる要素」を書くことです。本当に致命的な短所を書くのではなく、見方によっては長所にも短所にもなり得るような特徴を探しましょう。例えば「心配性」という短所は、「注意深い」という長所でもあります。

また、エントリーシートで文章にするときには「心配性で何事も注意深く慎重に行うため、仕事上のミスは少なくなります」のように言い換えることも可能です。同じ心配性でも「心配性なので新しいことにチャレンジできません」などと正直に書いてしまうのとは、文章から受けるイメージが変わります。

これと同じように、「飽きっぽい」は「新しいことへのチャレンジ意欲が強い」、「大雑把」は「おおらか」など、大抵の短所は裏返すと長所としての側面を持っています。短所のなかに秘められたメリットを模索しながら、マイナスのイメージを与えない文章にすることが大切です。

また、短所を克服したエピソードを盛り込むのも効果的です。「私には○○という短所がありましたが、○○という経験を経て改善することができました」と、実際のエピソードを交えるのも効果的です。上手く書けば、弱点を克服する意欲がある人間だということをアピールすることができるでしょう。

エントリーシートの短所の例文

「あがり症」が短所の場合

私の短所はあがり症の一面があることです。昔から大勢の人の前で喋ると、緊張してしまいます。あがり症の根底には「人に不快な思いをさせたくない」という考えがあります。もしも失言して相手に不快な思いをさせてしまったらどうしよう、と考えてしまうのです。

私はそのことに気付いてから、正しい言葉遣いを学ぶようになりました。正しい言葉遣いで相手に不快感を与えないように話せば、あがり症を克服できると考えてのことでした。結果として、以前よりはあがり症を抑えられるようになりました。

「心配性」が短所の場合

私の短所は心配症なことです。どんな些細なことであっても、ミスが無いか注意深く観察してしまいます。小さなミスも許さない私の性格は、効率が悪いと言われてしまうこともあります。

しかし、大雑把に仕事を行ってミスが積み重なるよりは、最初からミスの無い仕事をしたほうが結果として効率的だと考えてしまうのです。考えすぎだと言われてしまうこともありますが、心配性という短所は、私の長所である「気配り」にもつながる要素だと考えています。

「慎重」が短所の場合

私の短所は慎重すぎることです。慎重さは仕事のミスを防ぐために大いに役立っていますが、その反面、ひとつの事を成すのに時間がかかってしまうことがあります。ケアレスミスや勘違いなどで取返しのつかない事態に陥ることの無いよう、確認作業に時間を費やしてしまうためです。

そのため、私は普段から慎重になるべきことと、大雑把に行ってもよいことの判断力をつける努力をしています。今後は社会人になり時間を効率的に使うため、慎重という性格の使いどころを考えていきたいです。

「人見知り」が短所の場合

私の短所は人と打ち解けるのに時間がかかることがある点です。昔から他人を気遣ってしまう性格なので、初対面の人に不快な思いをさせまいと考えすぎてしまいます。

相手に出来るだけ気分よく話してほしいので、会話では聞き手に回ることが多いように感じます。聞き上手だと言っていただくこともありますが、今後は自分の意見もハッキリと言えるように努力していきます。

「飽きっぽい」が短所の場合

私の短所は飽きっぽい一面があることです。趣味を見つけるとトコトン熱中してしまうのですが、新しい趣味に出会うとすぐに乗り換えてしまいます。何でも新しいことにチャレンジしたいと考えているため、これまでにかなり幅広い体験をしてきました。

新しいことにチャレンジすることで、得られた経験も大きいと思っています。一つのことだけに固執するのではなく、常に新しいことを追い求め続けてきた経験が役立つことも少なくありません。

「せっかち」が短所の場合

私の短所はせっかちなところです。何をするときも、出来るだけ早く結果を出したいと考えてしまいます。資格取得の勉強をしているときも、出来るだけ早く結果を出したいと焦ってしまいます。

もし、不合格になっても次回受ければよい、という余裕のある考え方ができないので、絶対に一発で合格できるよう徹底的に勉強します。このような性格のため、これまで試験では良い成績を残してきましたが、今後はもっと余裕のある考え方をする必要もあると考えています。

「優柔不断」が短所の場合

私の短所は優柔不断です。他人に比べると、私の決断するスピードは遅いように感じます。私の決断が遅いのは、あらゆる場面を想定して最善の策を取ろうとしてしまうためです。いくつかの選択肢を提示されたとき、その中で最も良い結果を残す選択肢を選びたいと考えてしまいます。

一見、何の変哲も無い選択肢も、注意深く観察しているとヒントが隠されていることがあります。注意深く観察することで決断が遅くなってしまうという難点がありますが、この世界を生き抜く上で大切な要素でもあると考えています。

「おっちょこちょい」が短所の場合

私の短所はおっちょこちょいな一面があることです。子供の頃はよくドジを踏んで両親に怒られてしまいました。何も考えずに行動するとミスが出ることがあるため、大学生になってからは計画的に行動するよう心掛けています。

あらかじめ何をするか、どのようなプロセスを踏むかを計画しておくことで、ミスの頻度は大幅に減らせるようになりました。今後は計画外のミスにも対応できるよう、より臨機応変な行動をとっていきたいと考えています。

「落ち着きがない」が短所の場合

私の短所は落ち着きが無いことです。思い立ったらあまり考えずにすぐ行動してしまいます。私の自慢は行動力があることで、どんなことでも物怖じせずに行えます。

しかし、誰にも相談せずに突っ走ってしまったために周囲に迷惑をかけてしまったこともあるため、今後は落ち着きをもって行動することも覚えなくてはいけないと考えるようになりました。行動力と落ち着きを両立させた、立派な社会人を目指したいと思います。

「大雑把」が短所の場合

私の短所は大雑把なことです。細かいことを気にせずにものごとを行ってしまうため、緻密な作業が少し苦手です。大雑把さが影響したためか、クヨクヨしないという性格でもあります。嫌なことがあってもあまり落ち込まないため、気分の浮き沈みによって作業効率が落ちるという経験がありません。もっと細かい部分にも目を向けて慎重に物事を行えるようになることが、今後の課題だと考えています。

「おせっかい」が短所の場合

私の短所は、ついおせっかいを焼いてしまうことです。常に誰かの役に立ちたいという考えがあるため、自分に出来ることがあればすぐに実行してしまいます。相手にとって余計なお世話になっているのではないかと考えることもありますが、今のところ嫌がられたことが無いのが幸いです。

私にとって人生で最も大切なのは他人を思いやる心です。そのため、おせっかい焼きな性格は簡単には治せませんが、今後は本当にやるべきことを見極める力をつける必要があると考えています。

「完璧主義」が短所の場合

私の短所は完璧主義すぎることです。自分がやった仕事には少しのミスやほころびも許せません。物事を完璧の遂行することは私にとって仕事に対する信念でもありますが、その一方でミスを許さない徹底的な仕事は効率が悪いと感じることもあります。

より良い仕事をするためには細かなチェックや作業の見直しが必要不可欠だと考えますが、もっとスムーズな仕事をすることも必要だと考えています。今後は完璧主義と作業効率の折り合いをつけて、ちょうど良い仕事ぶりを目指したいと思います。

「考えすぎる」が短所の場合

私の短所は、ついつい考えすぎてしまうことです。何をしていても「もっと良い方法があったのではないか」「ケアレスミスをしていないか」を追求してしまいます。そのため、仕事では確認作業に時間を費やしすぎてしまうことがあります。

どんな小さな作業にも手を抜くことなく、考えながら手を動かしているため作業ミスは少ないと自負しています。しかし、この注意深さが作業効率の仇になっていると感じるのも事実なので、ある程度は改善が必要だと感じています。

「口下手」が短所の場合

私の短所は口下手です。失言で相手に不快な思いをさせることが怖く、自分の意見を大きく言うことが苦手です。しかしその一方で、人の話を聞く力は伸ばすことができたと感じています。誰かと会話するときには聞き手に回ることが多く、これまで多くの方をお話しさせて頂きました。

相手の話を深く聞くことで得た、聞き出す会話術には長けていると自負しています。聞き出したい情報を上手く引き出すスキルは、社会でも必ず役に立つものだと確信しています。

エントリーシートの「長所/短所」は箇条書きでもいいのか

エントリーシートに長所や短所を書く際、基本的には箇条書きしてはいけません。長所や短所の根拠となるエピソードや経験を交えながら、文章で記入しましょう。

企業がエントリーシートの長所・短所欄から読み解くものは様々ですが、なかには自分の短所を的確に文章で表現できるかどうかを見る企業もあります。箇条書きで長所や短所を書いていると、自己分析力や表現力の足りない人間だと評価されてしまう可能性もあるでしょう。

また、きっちりと理由や根拠を書いたほうが、長所や短所の信頼性が高まります。例えば長所の欄にただ「努力」と書くだけなら誰にでもできますが、努力したことによってこれまでどんな実績を残したのかを併記することで情報の信頼性を高めることができるのです。

エントリーシートの「長所/短所」の適切な長さ

エントリーシートに長所・短所を書くときは、具体的なエピソードを交えて文章を構成します。ただ一文だけ「私の長所は協調性です」のように短く書くのはエントリーシートの書き方として相応しくありません。

エントリーシートのフォーマットにもよりますが、一般的に長所欄は150~200文字以上は書くのが良いとされています。また、200文字書いても空白が余るようであれば、出来る限り空白を埋めるようにします。最低でも空白の8割程度は埋めるよう努力しましょう。

採用先企業によってはエントリーシートに用意された長所欄が小さく、数文字程度しか書けない場合もあります。そうした場合は無理に文字数を稼ぐ必要はないので、「協調性」と一言で済ませて構いません。エントリーシートの長所・短所欄は、自己PR欄などに比べて企業での扱いが大きく異なります。

社員の個性を重要視する企業では、長所・短所欄が自己PR欄と同じくらい大きく扱われている場合もありますし、逆にあまり就活生の長所や短所を重要視していない企業では、エントリーシートに長所・短所欄を用意していないこともあります。どちらが良い企業というわけでもありませんが、就活生は企業の方針を見極めて臨機応変な対応をすることが求められるでしょう。

長所・短所を聞く採用側の意図

採用側がエントリーシートに長所・短所欄を用意しているのは、少ない情報から就活生の人間性を把握するためです。企業によってエントリーシートから何を読み解くのかは異なるため一概には言えませんが、長所・短所欄からは「自己分析力」「性格」「将来性」「仕事の適正」など人間性に関わる様々な要素が見えてきます。

自分の長所と短所を正しく理解し、それを文章で説明できる力はビジネスの世界でも役立ちます。社会人にもなって「自分は何が得意なのか、自分でもよく解らない」というような人間は仕事相手に信頼されません。自分の得意なことと苦手なことをしっかりと把握して相手に伝える自己分析力は、その人の印象を決定づける要素になるのです。

また、企業は就活生の長所と短所から性格を把握しようとします。企業側にとって採用試験は「これから一緒に働く相手を探すための場」です。どれだけ実績や経験のある人であっても、性格の悪い人が入社すればチーム間での連携が取りづらくなり、仕事に支障がでることもあります。そのため、長所や短所の書き方を見て、その人の人間性を把握しようとしているのです。

自信をもって文章を書くことは大切ですが、だからといって「自分はすごい人間だ!」と過大評価しすぎると、自己分析力が低く性格が悪いと判断される恐れもあります。逆にあまりネガティブになりすぎても、会社の雰囲気を暗くするとしてマイナスのイメージを与えるでしょう。エントリーシートの長所・短所欄は、ポジティブにもネガティブにもなりすぎないよう、適度バランスで書く必要があります。

「長所/短所」と「強み/弱み」の違い

よく「長所・短所」と「強み・弱み」が混同されることがあります。この2つは本質的には同じものですが、意味合いが少し異なるので間違えないよう注意しなくてはなりません。「強み」とは、いわゆる「アピールポイント」です。

自分のなかで企業に対してアピールしたい要素を指す言葉であり、強みは「自己PR欄」に書かなくてはなりません。エンジニアなら、これまでに取った資格や、関わったプロジェクトなどを説明すると良いでしょう。要するに、「自分が企業にとってどれだけ有益か」を書くのが「強み」です。

「弱み」とは、その企業に入社できた場合に発生する問題や弱点です。営業職なのに商品の説明が苦手だったり、海外のお客様を接客することもある職場で英会話が苦手だったり。

そうした、今後必ず改善しなくてはならない問題点などが「弱み」に分類されます。長所や短所は、実は仕事に直接関わる要素ではありません。例えば「協調性が高い」というのは性格の問題であり、協調性が高いことで仕事を効率的に進められることはあっても、「協調性が高いから採用!」となるケースはほとんど無いでしょう。

長所は実績や経験ではなく、その人の性格や人間性を判断するための要素に過ぎないのです。短所もこれと同じで、自己分析が出来ているかを判断する項目ではあっても、「○○という短所があるから不採用!」ということはありません。実際に採用基準として見られているのは「強み・弱み」のほうで、「長所・短所」はアピールポイントとしてはやや弱い「人間性」を見る項目だと言えるでしょう。「長所・短所」も「強み・弱み」も、その人の「良いところ・悪いところ」を表しているという本質は同じです。

しかし「企業にどの程度役立つ人間かを判断する要素」が「強み・弱み」であり、「就活生がどのような人間かを判断する要素」が「長所・短所」なのです。役割が違うため、長所・短所の欄と自己PRの欄に同じ文章を書いてしまわないように注意しましょう。