【業界研究】建設機械業界の現状・動向・課題について

建設機械業界の現状

平成19年までは順調に市場の拡大を続けてきた建設機械業界。しかし、平成19年から21日にかけて、大幅に、各社ともに業績が落ち込んでしまいます。その背景にあるのは平成20年後半に起きたリーマンショック。ヨーロッパやアメリカにおいての住宅着工件数が激減して、日本の建設機械が活躍する場がどんどんなくなっていったのです。また、中国やロシアをはじめとした新興国でインフラ需要の急減が起きたために、中近東では不動産開発が相次いで中止になりました。

一時期は将来性に大きな不安を抱えることになった建設機械業界ですが、東日本大震災の復興による内需の拡大や、新興国、ヨーロッパ、北アメリカにおける事業拡大などにより、業績は格差ともに増加傾向に転じています。それに伴い建設機械業界の市場も徐々に大きくなっています。

実は日本の建設機械業界は世界的にみても非常に大きな影響力を持っています。その理由は日本の建設機械メーカーが、世界における大きな視野を獲得しているのが理由です。その背景にあるのは、品質の高い製品を製造していること、どんな関係にも柔軟に対応する技術力を持っているとなどが挙げられます。これからも世界において日本の建設機械業界は大きな注目を集めていくでしょう。

現状1:基本情報

キャタピラをはじめとした大型建設機械の開発・製造を得意としているコマツ。フォークリフトの分野で世界第1位のシェアを誇る豊田自動織機。クレーンの世話で世界第2位のシェアを記録しているタダノ。ミニショベルにおいて世界第1の実績を残しているクボタ。国内を見ると世界トップクラスや世界第1位の実績を持つ企業がたくさんあります。当然ながら事業のフィールドは世界に及んでおり数々のグローバル企業が存在しているのも建設機械業界の大きな特徴です。近年はハイブリットの環境対応車や無人運行システムなど、世界に先駆けて独創的かつ機能的な建設機械を多数輩出している日本。どの国よりも先を走るテクノロジーや他国ではまねできないような高い品質が、業績の回復をもたらすと同時に、建設機械業界のさらなる活性化を生み出しています。これからも各社は技術力と製品力を武器に、さらなるグローバル戦略を推進し、一層のシェア拡大を追求していきます。以下に建設機械業界を形成する27社の売上高に基づいた業界データを記載します。ぜひ業界研究の参考にしてください。

業界規模:6兆3,043億円
労働者数:68,883人
平均年齢:40.7歳
平均勤続年数:15.6年
平均年収:599万円

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位: コマツ

売上高は1兆9,536億円。建設や鉱山の開拓などに使われる機械、小型機械、林業をサポートする機械、各種産業を支える機械など様々な機械を開発・製造しているコマツ。久保田と同じようにグローバル事業を展開しており、社名は多くの国々に知れ渡っています。

「日本の建設機械と言えばコマツだ」と話す取引先もたくさんおり、業績も順調に伸びています。これからも世界の建設機械業界を牽引する存在として、一挙手一投足が大きな注目を集めるはずです。

第2位:クボタ(機械事業)

売上高は1兆1,530億円。農業や産業など様々な面で活躍する建設機械を開発から設計、製造、販売まで網羅していることだ。知名度の高さはもちろん、一つひとつの産業機械のクオリティが多くの企業から高い支持を獲得しています。

クボタという社名は今や世界においても高い知名度を誇っており、今までにない建設機械の開発という点で大きな期待を寄せる企業が各国にあります。

第3位:豊田自動織機(産業車両事業)

売上高は8,092億円。トヨタグループの源流企業として知られている豊田自動織機。L&F(ロジスティクス&フォークリフト)事業、コンプレッサー事業、繊維機械事業において世界販売シェアナンバーワンを誇っています。

また、会社としても、物流事業、エレクトロニクス事業、エンジン事業、自動車事業など様々な事業を展開。数々の事業の柱を作ることで安定的な売り上げを残し続けています。

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位:住友重機械工業

平均年収は780万円。エネルギー、物流、インフラ、医療、半導体・液晶など様々な分野における建設機械を開発しています。待遇・福利厚生に関しても社員のことを隅々まで考えた諸制度が確立されており、「安心してあたしの将来を託せる会社です」と話す社員が少なくありません。

また、海外売上高が総売上高の半分以上を占めるなど、グローバル企業としての展開も建設機械業界では大きな注目を集めています。

第2位:クボタ

平均年収は761万円。グローバル企業として着実に事業を拡大し続けるクボタ。その原動力をなるのは一人ひとりの社員であると認識しており、将来に不安を感じることなく長く活躍できるよう様々な制度を確立しています。また、休日・休暇についても、年間所定休日が125日あるなど、ワークライフバランスのツイキュウにも余念がありません。

第3位:豊田自動織機

平均年収は742万円。世界を代表するトヨタグループの一員だけに、休日・休暇や、待遇・福利厚生は、建設機械業界の中でも充実したものであると認識されています。長く働きたいと願う社員を応援する制度が確立されており、平均勤続年数も高いことで知られています。

業界の動向

前述したとおり日本の建設機械メーカー各社は、世界的に見ても高いシェアを獲得していることで知られています。そうなれば、これから建設機械業界がさらに拡大する市場は、国内ではなく海外、ということになります。

ヨーロッパ、アメリカ、中国、インド、他にも様々な国で今も日本の建設機械業界の動向が注目されています。建設機械業界を形成する各社がどの国にどんな戦略を展開していくかを詳しく調べましょう。

動向1:市場動向

建設機械と聞くと「大きい」「機械的」窓のイメージを抱く人が多いはずです。しかし、近年では、多くの業界がITとの融合を推進しているように、建設機械業界においても、メーカー各社がITを活用した製品開発を強化しています。

例えば、GPSと通信システムを用いて慰謝料情報を遠隔管理する機能を搭載するなど、最先端の建設機械が様々な形で誕生しています。ハートだけではなくソフトの面でも付加価値を上げることで、製品の買い替えや新規購入を促進しています。

動向2:業界の課題

順風満帆に見える建設機械業界ですが、他の業界と同じく課題はあります。例えば、さらなる技術開発。ITを活用した新しい付加価値の創造はそれに該当しますが、日本の建設機械業界がいつも世界でトップであり続けるためには、常に新しいモノづくりに挑戦する必要があります。その点では、建設機械業界の中に置いて技術革新をもたらす新たな企業の出現が必要になるかもしれません。

もう一つ大きな課題があります。それは、環境への配慮です。世の中では、2008年から、公道を走行しない建設機械を対象に排ガス規制が制定されました。このできごとは、建設機械業界にも大きな影響をもたらしています。

そのひとつが、2013年11月以降、排ガス規制の基準値をクリアしたものでなければ新たな建設機械を製造できなくなったことです。高い技術が必要となるだけに、中小の建設機械メーカーは苦戦を強いられることになりました。建設機械業界も社会の調整と密接に繋がっているので、社会の動きと建設機械メーカーの戦略などを照らし合わせましょう。

動向3:業界の今後の将来性

社会の調整と建設機械業界とのつながりで1番のトピックスは、東京オリンピックの開催です。2020年の開催に向けて、日本国内では積極的なインフラ整備が推進されています。また、海外に目を向けると、インドや中国のように継続的な成長を実現している国が徐々に増えてきています。

それらの国でも工場の建設やインフラの整備などが積極的に行われるので、日本の建設機械業界は、しばらくの間、継続的な成長を見せるでしょう。

おすすめの業界研究本

コマツ命―建設機械業界のトップセールスマン /小倉 正司 (著)

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