【業界研究】非鉄金属業界の現状・動向・課題について

非鉄金属業界の現状

銅や金、アルミ、ニッケルなど、非鉄と呼ばれる金属を取り扱っている非鉄金属業界。自動車や家電、精密機器など様々な製品に使われているので、非鉄金属業界の規模は大きなものがあります。

平成19年まで順調に業績を伸ばしてきた非鉄金属業界ですが、平成20年に入ってからは、資源の価格が高騰したことにより、業界規模の拡張スピードが少しずつ緩くなってきました。

加えて、平成20年後半にはリーマンショックの影響で電子機器や自動車関連部品の需要が大きく落ち込むことに。また、銅やアルミの相場が急落して、非鉄金属業界全体の冷え込みが大きな問題になりました。

平成22年以降は若干の業績回復が見られたものの、ヨーロッパや中国をはじめとした先進諸国の需要低迷も大きな影響を及ぼし、業界全体の実績は平行線をたどっていいます。

平成25年に入ってからは、自動車関連需要が高まり、非鉄金属業界の市場規模は少しずつ拡大する動きを見せています。好景気や不景気、材料価格の上下変動の影響を受けやすい業界だけに、社会の動向も業界研究には必要になります。

現状1:基本情報

非鉄金属の需要が多いのは、自動車、電子機器、住宅などが挙げられます。業界研究をする際には、前述した業界ノの動向などもしっかり調べておくことが大切になるでしょう。他の業界の動向を受けやすいことは、平成25年以降に海外の自動車や住宅の需要順調に上がったことで非鉄金属業界も市場の活性化が見られたという事実が証明しています。

ほとんどの企業は、原料となる鉱石は大半を海外から輸入しています。それを製鉄所で生成して加工するのがビジネスのスタイルですが、売り上げに大きく影響を及ぼすのはここではありません。為替や資源メジャーとの精錬マージンが収益に大きな影響を及ぼすのが非鉄金属業界の一般的な常識として知られています。

自動車や住宅の需要はこれからも安定的に継続していくことが期待されていますが、円安の影響けた輸入コストの増加、精錬マージンの上下変動など、読めない部分もたくさんあります。市場の変動が大きな影響を及ぼすだけに、社会全体の動向もチェックしましょう。業界規模は非鉄金属業界を形成する41社の合計売上高より算出しています。

業界規模:11兆8,654億円
労働者数:45,027人
平均年齢:40.6歳
平均勤続年数:15.3年
平均年収:594万円

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位:住友電気工業

売上高は2兆5,687億円。創業は1897年。電線の製造で蓄積した高い技術を生かして多岐にわたる事業を展開しています。現在も自動車、エレクトロニクス、環境エネルギー、情報通信、産業総菜の5つの分野でチャレンジブルなビジネスを展開しています。これからも社会インフラ、グローバル、最先端技術という3つのワードに基づいた事業を展開していきます。

第2位:三菱マテリアル

売上高は1兆4,147億円。社会生活の基盤と言える銅やセメントといった基礎素材から、「産業の塩」と呼ばれる超硬切削工具、エレクトロニクス製品のポテンシャルを存分に引き出す電子材料、エネルギーや環境リサイクルといった幅広い事業を展開する会社として知られています。

三菱グループの満足な経営基盤と豊富な資金で、他社では切り込めない分野にも積極的に入り込み、ビジネスの幅を広げています。業界研究をする上で、絶対にマークしたい企業です。

第3位: JXホールディングス(金属事業)

国内だけでなく世界規模で有数の銅の生産量を誇るグローバル企業です。資源の開発から金属の精錬、電材の加工、環境リサイクルまで網羅した幅広い事業を展開しています。世界を舞台にした多種多様なビジネスが大きな売上に結びついています。これからも新たな事業に挑戦する同社は、非鉄金属業界の動向を左右すると言われています。

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位:JXホールディングス

平均年収は1157万円。国内でも大規模なグループとして知られるJXホールディングスは、待遇・福利厚生の面でも非鉄金属業界の中で各種制度が充実していることで有名です。年間休日も豊富でワークライフバランスを取れた生活を送ることが可能です。

第2位:日本軽金属ホールディングス

平均年収は907万円。新幹線のボディや自動車の部品をはじめ、多種多様な業界に金属製品を提供しています。大きな特徴として挙げられるのは国内で随一のアルミ総合メーカーであることです。

スローガンは「チーム日軽金として異次元の素材メーカーへ」。リーマンショックが起きた時は業績が落ち込んだものの、強い経営基盤を生かして不景気の波を乗り越え、順調に業績を伸ばしています。平均残業時間が月20時間以内。職場環境の整備も積極的に推進しています。

第3位:ホッカンホールディングス

平均年収は834万円。コーヒーなどの飲料缶や農産品・水産品などを保管するための食品用空き缶、スプレーなどの製品に使用されるスプレー缶、粉ミルクなどを詰める粉乳缶、お菓子屋のりなどを保管する美術缶など幅広い缶を作っているメーカーになります。

開発、設計、製造、販売まで一貫して担う事業を展開しており、最適なコストも実現。研究開発センターもあり、より高品質で低価格の製品の創造を追求しています。非鉄金属業界においては、独特の事業を展開する企業かもしれません。入社3年後の定着率は90%以上。平均勤続年数も15年以上。充実した待遇・福利厚生も魅力です。

業界の動向

非鉄金属業界は需要こそ高まっているものの、国内全体の需要、売り上げを見ると減少傾向にあります。輸出や金属の時価が影響するため、今後も減少傾向が続く可能性があるでしょう。

特に、前期に減損損失を計上した企業を除き、減収減益傾向の見通しがあるといえます。国内需要は頭打ち、少子高齢化による需要減が予測されるため、今後は海外への輸出を考える企業が多くなるでしょう。

自動車や精密機器、家電の需要が高まっていることに伴い、非鉄金属業界の需要も年々高まっています。しかし、国内全体の需要や売上を見ると減少傾向に。これらの背景にあるのは輸出や金属の時価の変動などになります。

国内の需要は頭打ちと言っても過言ではありませんが、海外に目を向ければ、未開拓の市場はたくさんあるので、海外への輸出を評価する企業が多くなると予想されます。今後は非鉄金属業界全体においてグローバル化が大きなテーマになるでしょう。

動向1:市場動向

資源の価格は世界的に下落の方向に動いています。そんな動向を受けて、非鉄金属業界を形成する各社がどのような戦略を打ち立てていくか、また、鉱山が発掘され尽くしている今、どのように新しい資源を創造するかなど、これからは今までのビジネスに捉われない動き方が必要になるでしょう。

非鉄金属業界を形成する各社の中でも上位に位置する会社は、業界の未来を牽引する意味でも、大胆な戦略を展開することが問われていきます。

動向2:業界の課題

非鉄金属業界を構成する各社の技術やビジネスはほぼ成熟しています。他の業界ではさらなる効率化を追求していますが、非鉄金属業界に属する企業は、これ以上劇的な効率化は難しいと判断しています。

しかし、技術開発の面ではまだまだ可能性が大きく、テクノロジーのさらなる進化が期待されています。その成果によっては、海外の競合他社と対等に渡り合える可能性を秘めています。そのためにこれから合併・統合などが必要になるかもしれませんが、業界の性質上、実現は簡単ではありません。

加えて、非鉄金属業界の課題を挙げるとするならば、グローバル化が大きなテーマになるでしょう。昨今、非鉄金属業界に属する多くの企業が海外での事業展開を強く推進しています。

しかし、詳しく調べてみると、その目的はコストの削減が多いケースが多数。新しい市場を開拓している企業は少ないのが現実です。他の業界では海外の市場を積極的に開拓する企業が多い中、新市場開拓の面で非鉄金属業界は遅れを取っている、というのが現状です。

各業界で海外進出が進んでいるように、非鉄金属業界もまた、多くの企業が海外進出を進めています。その目的は、コストの削減。非鉄金属業界企業の場合は、新たな市場の開拓というよりは、国内で製造するよりもコストが低い地域で製造することを目的としているケースが多いです。

しかし、進出した先の海外でも、最近では非鉄金属の需要が高まっている模様。今後は、製造した非鉄金属をどのようなルートで、何処に販売していくか、基盤を設立してビジネスとして展開していく必要があります。

動向3:業界の今後の将来性

非鉄金属業界の企業規模は、現在、安定はしていますが、決して油断できるものではありません。世界の情勢や好景気・不景気などの影響を受けやすい業界だけに、業界の体質を変える取り組みが必要になるでしょう。非鉄金属業界のトップに位置する企業が先頭に立って、移り変わる景気や社会情勢の波を受けにくいシステムやビジネスを構築することが重要になります。

また、前述したとおりグローバル化も重要なテーマになるでしょう。コスト削減を目的にした海外進出ではなく新しい市場を開拓して業界全体の規模を拡大する戦略の展開が問われていきます。そのためにももっと海外に目を向けていくことが大切になるでしょう。

おすすめの業界研究本

非鉄金属業界大研究 /南 正明 (著)

非鉄金属業界の基礎から分かりやすく書かれており、業界研究におすすめの一冊です。

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