【業界研究】百貨店業界の現状・動向・課題について

百貨店業界の現状

百貨店というと一昔は高級な衣類やジュエリーなどを購入する場として消費者から利用されてきました。

しかし近年は、多くの若者が百貨店を利用するなど、顧客層にも変化が出つつあります。そんな百貨店が集まって構成するのが百貨店業界です。平成23年頃まではなかなか市場規模を拡大することができず、百貨店業界は苦戦を強いられできました。その背景にあるのが若者の百貨店離れ、郊外型のショッピングモールやアウトレットの台頭、平成20年に起きた金融危機、他にも様々な要因により百貨店業界はなかなかからを打ち破れずにいました。

しかし、平成24年に入ると、アベノミクスなどによる経済効果の影響を受けて、消費者の購買意欲が徐々に高まってきました。また平成25年に入るとさらなる消費者の購買意欲の向上、増税前の駆け込み需要などの効果もあり、継続的にプラス成長を続けています。

これからは、企業の統合やリニューアルなどで巻き返しが期待されます。また多くの百貨店を見渡すと若者の姿が年々増えており、顧客層の変化も市場の活性化をさらに推進していくことでしょう。業界研究をするのであれば、自分の足で百貨店に足を運び、買い物を楽しんでみるのもいいかもしれません。

現状1:基本情報

これまでも百貨店業界ではたくさんの企業統合が行われてきました。平成19年9月、松坂屋ホールディングスと大丸が統合してJ.フロントリテイリングとして新たなスタートを切っています。

また、同じ年の10月には阪神百貨店と阪急百貨店を統合してエイチ・ツー・オーリテイリングになりました。翌年の4月には三越と伊勢丹が統合して三越伊勢丹ホールディングスに。歴史ある百貨店の統合は業界に大きな影響をもたらしてきました。

M&Aによって生まれた企業は.百貨店業界の活性化に大きな貢献をしています。三越伊勢丹ホールディングスは経営破たんした丸井今井の支援を実施。また平成21年10月には、百貨店業界の中でも中堅として知られる岩田屋を子会社化しています。

加えて自社の再編も積極的に推進。三越池袋店を始めとした売上に伸び悩んでいる店舗を閉鎖。その数は6店舗にも渡り、百貨店業界と地域に大きな影響をもたらしました。

これらの経営の効率化と逆に、リニューアルオープンを強化する会社も増えています。平成24年にはない。東京店、阪急百貨店梅田本店が増床オープンしました。また平成25年には伊勢丹新宿本店が大規模なリニューアルを実施。新たなスタートを切ったこれらの百貨店は確実に売上を増しています。

国内の消費動向や社会が好景気・不景気の波を大きく受けやすい百貨店業。この数年でも激動の展開を見せていますが、これからは本格的な景気回復も期待できます。以下の基本情報は百貨店業界23社の売上高合計より算出しています。

業界規模:7兆6,012億円
労働者数:33,847人
平均年齢:42.3歳
平均勤続年数:18.1年
平均年収:569万円

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位:三越伊勢丹ホールディングス

売上高は1兆3,215億円。常に新しく、付加価値の高い商品・サービスを提供し続けています。近年は駅ビルや空港への小型店の新規出店、また海外での新店舗出店など、様々な新しいチャレンジを行っています。

お客さまの感動につながるイノベーションを起こすため、過去に捉われず、常に新しい発想をもち、自ら学び、自ら考え、成功する可能性が少しでもあるならば、勇気をもって新しさに挑戦できる企業でありたいと願っています。

第2位:J.フロントリテイリング

売上高は1兆1,463億円。松坂屋ホールディングスと大丸が統合したことで誕生した、百貨店業界の中でもトップクラスの規模を誇る企業です。特筆すべきは400年と言う松坂屋の歴史にとらわれることなく、お客様にさらなる価値を提供することを第一優先して企業の統合を推進したことです。

このようなチャレンジ精神が安定的な売上高に結びついており、「お客様第一主義」「社会への貢献」の精神を大切に続けると同時に、クリエイティビティと挑戦を推進していきます。

第3位:高島屋

売上高は9,041億円。国内だけでなくベトナムやアイの出店も予定しているグローバル企業です。百貨店事業としては現在国内外で22店舗を展開しています。どの地域においても高い知名度を誇っており、多くの消費者から高い支持を獲得しています。

また、国内においてはリアルとバーチャルの融合をキーポイントにしたオムニチャネル化を推進している会社として知られています。これからは日本だけではなく「アジアグローバル企業」というポジションを追求していきます。

百貨店業界を形成する数々の企業の中で一番の規模を誇り、現在も継続的な成長を見せている会社です。近年はこれまでのスタイルとは異なるビジネスを展開。駅ビルや空港に小型店を新規出店したり、海外にも新店舗を出したりするなど、百貨店業界のこれからの指針となるような事業を展開しています。

このクリエイティビティがお客様にも大好評で、国内外を問わず多くの人々が日々、三越伊勢丹ホールディングスの店舗に訪れています。

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位:エイチ・ツー・オーリテイリング

平均年収は899万円。阪神百貨店と阪急百貨店が統合して誕生したエイチ・ツー・オーリテイリングは、百貨店業界のみならず世の中の企業と比較しても年収や休日・休暇、待遇・福利厚生の面で充実していることがわかります。

これからは中国での出店を展開するなど、グローバル企業としての歩みも強めていくので、さらなる成長が期待されます。

第2位:三越伊勢丹ホールディングス

平均年収は781万円。前述したとおり業界でも最大手としられる三越伊勢丹ホールディングス。休日・休暇や待遇・福利厚生についても百貨店業界内において充実していることでしられています。「盤石の経営基盤がある会社で腰を据えて働きたい」という学生は、ぜひ、業界研究の対象としてみてください。

第3位:J.フロントリテイリング

平均年収は777万円。百貨店業界内でも高いとされている平均年収は、社員のモチベーションアップに大きく貢献しています。また高い平均年収だけではなく、充実した休日・休暇、働く人たちを応援する待遇・福利厚生があり、平均的な勤続年数も長い会社として知られています。業界研究においては各社の待遇・福利厚生や休日・休暇を調べることを必要不可欠。

業界の動向

以前はブランドイメージなども手伝い、小売業の中でもトップに君臨していた百貨店業界ですが、近年は、消費者のニーズの変化や社会の景気の変動により苦戦していた企業がたくさんありました。

しかし、今は消費者の経済活動が活発になり、百貨店に訪れる人々の数は年々増えています。同時に採算を取れない店舗を閉店させるなど、自社の財政状況の改善も推進することで、安定的な売り上げを残すようになった百貨店も少なくありません。また近年では、国内だけではなく海外にも出店を進める企業も多くなっており、業界全体のグローバル化が推進されていくでしょう。

今後、百貨店業界を構成する各社には日本人だけではなく各国の人々に向けたサービスも検討しすることが求められると思われます。

動向1:市場動向

業界全体は活発になりつつありますが、地方百貨店は依然として厳しい経営を強いられています。中には閉店や倒産を避けることができなかった企業も増えており、これから百貨店業界は勝ち組と負け組の差がより明確になっていくでしょう。これまでの動向を見る限りでは、百貨店業界は今後、都市部に集中する傾向にあると言われています。

そんな、将来に向けて各社が展開すべき戦略は、インバウンド需要の増加やより幅広い世代の来店者数を確保することになるでしょう。これらの戦略を成功まで導くためには、今までのスタイルとは違った戦い方を求められるかもしれません。

動向2:業界の課題

百貨店業界でも大きな脅威として知られているのが、インターネット通販の台頭です。その対策として、自社でもインターネット通販やネットショッピングを展開する企業も増えてきました。

しかし、本当に問題なのは、それらの利用率になります。百貨店業界全体においてネット通販の利用率は1パーセントにも満たないのが現状です。これからインターネット通販をどうやって拡大させるかは、各社にとって大きな課題になるでしょう。

もう一つ課題として挙げられるのが、幅広い顧客層の獲得です。百貨店業界はこれまで専門性の高いカテゴリーに特化してきたことで、若年層の消費者の足が遠のいてきた傾向にありました。

しかし、これからは年齢層に関係なく、誰もが楽しく気軽に利用できる百貨店づくりを推進する必要があります。そのための戦略を、歴史やブランドにとらわれることなく柔軟に展開できるかどうかが、さらなる成長のキーポイントになるでしょう。

動向3:業界の今後の将来性

今後の将来性としてキーポイントになるのは、新しい市場の開拓・獲得と、幅広い顧客層の獲得になります。現在、百貨店業界を形成する各社は、海の外にもビジネスの可能性を追求しており、アジア各国で出店を実現するなど、戦略を成果に結びつけつつあります。これからは各国における出店だけでなく、店舗それぞれの売上アップを追求することが重要なテーマになってくるでしょう。

もう一つの可能性として挙げられるのが、若年層の獲得です。買い物に対して強い関心を持つ若年層が百貨店にもっと訪れると、店舗全体の活性化だけでなく、企業の業績向上、業界全体の活性化にもつながります。

これから積極的な広報戦略や新しいブランドの確立、これまでにないサービスの創造など、新しいチャレンジが各社の成長には必要になるでしょう。

おすすめの業界研究本

百貨店戦国時代 塗り替えられる業界地図  川嶋 幸太郎 (著)

百貨店業界の構造をわかりやすく記載された、業界研究にはもってこいの1冊です。百貨店業界に興味がなかった方も、ぜひ一度、読んでみることをお勧めします。

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