【業界研究】家電業界の現状・動向・課題について

家電業界の現状

家電業界の現状

テレビやDVDレコーダーといったAV機器、デスクトップやノートに代表されるパソコン、タブレット、スマートフォン、洗濯機や冷蔵庫といった生活家電を販売する店舗を展開している企業によって形成されているのが家電業界です。

販売網は郊外に出店するケース、駅前に店舗を出すケース、インターネットで販売するケースなど、販売のスタイルは様々です。近年の家電業界は、平成22年から24年にかけて業績は悪化しています。

その背景にあるのは政府が推進した家電「エコポイント」が終了したこと、地デジの移行に伴い薄型テレビを始めとしたデジタル家電の需要先食いなどの反動、その他様々な社会背景により各社は減収減益を強いられました。業界全体の業績も大きく落ちこみ、これからはどう回復するかが大きなテーマになっています。

また近年では、アマゾンや楽天に代表されるインターネット通販が人々の生活に浸透してきたことにより、さらなる苦戦を強いられています。そんな背景もある家電業界では、今、勝ち組と負け組に企業が分かれようとしています。

ヤマダ電機、ケーズデンキ、ビックカメラなど大手家電量販店の動向が家電業界の動きに大きな影響を与えています。業界研究をする上では、これらの企業を詳しくリサーチすることが重要になるでしょう。

現状1:基本情報

家電業界では企業の統廃合が進んでいます。平成24年、当時業界首位のヤマダ電機がベスト電器を子会社化しました。システムの統合、物流の効率化を図り、よりリーズナブルな価格を設定できる体制を構築。

同じ年にはビックカメラがコジマ電機を子会社化しています。これにより業界のポジションに変動が出て、ビックカメラは業界2位に躍り出ました。また近年は各社ともにインターネット通販に力を入れています。アマゾンや楽天に対抗するために、自社でECサイト運営している企業が多々あります。

店舗を持たないインターネット通販と比較すると、品揃えが豊富で、家電にこだわりがある人の間で好評を得ています。以下に家電業界の業界規模を記載しますので、ぜひ業界研究の参考にしてください。算出根拠は家電業界上位15社の売上高などを参考にしています。

  • 業界規模:5兆5,904億円
  • 労働者数:39,844人
  • 平均年齢:36.2歳
  • 平均勤続年数:10.7年
  • 平均年収:443万円

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位:ヤマダ電機

売上高は1兆8,939億円。ポイントカードの草分け的存在ともいえるヤマダ電機。駅前や郊外を問わず、網の目のような販売網をめぐらすことで、競争が激しい家電業界においても他者を引き離す売上を獲得しています。

現在でも根強いファンを獲得しているヤマダ電機。家電業界においてもヤマダ電機の動向は、競合他社にも大きな影響をもたらします。

第2位:ビックカメラ

売上高は8,053億円。駅前に店舗展開することで、多くの人々が気軽に来店できる環境を確立しています。またビックポイントカードは還元率が高く、消費者の中には「家電を購入するならビックカメラで決めている」と話す人も少なくありません。

また、自社でECサイトを運営しており、店舗から遠いところに住んでいる人々にも豊富な品揃えをアピールすることに成功しています。より多くの人に様々な製品に触れてもらう環境を構築することで、売上を伸ばしています。

第3位:エディオン

売上高は 7,666億円。以前は停電という名前で店舗展開していたエディオン。新たなブランディングを通じて新規顧客を開拓しつつあります。

特徴は充実したアフターフォローです。価格勝負ではなくサービスのきめ細やかさで、パソコンやブルーレイレコーダーなどの初心者に好評を得ています。また、価格勝負ではない事業展開することで安定的な売り上げを確保しています。

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位:上新電機

平均年収は567万円。家電製品や情報通信機器、エンターテインメント商品、住宅設備機器など多岐にわたる製品を販売している家電量販店を運営しています。本社は大阪にありますが関東や東海地区にも展開しており、各地で安定的な売上を残しています。休日休暇や待遇・福利厚生についても業界きっての充実さを誇っています。

第2位:マキヤ

平均年収は540万円。待遇・福利厚生の面では目立ったものはありませんが、家電以外にも生活雑貨、インテリや、食品、衣料などを取り扱うことで、安定的な売上を獲得しています。利益率も高いものがあり、それらを従業員に還元する社風があるのも大きな特徴です。

第3位:エディオン

平均年収は492万円。リフレッシュ休暇を始めとした特別休暇を設定しており、家電業界の中でも働きやすさを追求している会社です。現在も職場環境の整備を推進しており、平均勤続年数も少しずつ多くなっています。

業界の動向

一時期は不景気の影響により売上の落ち込みが続いた家電業界ですが、平成25年には再び増加に演ずる傾向を見せています。

その背景にあるのは新しい種類の家電製品がたくさん誕生しており、消費者の中に「実際に触ってみないとわからない」「話を聞いてみないと製品の性能について理解ができない」「インターネットの口コミだけでは製品のポテンシャルを判断できない」などの考えが浸透しつつあることが挙げられます。

消費者と接触して製品の良さをしっかり伝える家電量販店は、これから各地域においてさらに重要な存在になることでしょう。それに伴って、家電業界全体も市場規模が増加し続ける傾向にあります。

動向1:市場動向

社会の動向の影響を受けやすい家電業界ですが、近年は国内消費の回復、消費税が8パーセントになる前に発生した駆け込み需要、新しい種類の家電製品の誕生などに伴い、市場規模は拡大傾向にあります。

ただ、これらの動向が家電業界各社に安心感をもたらしているかというと話は別です。現状は以前より競争が激化しています。郊外型店舗で拡大してきたヤマダ電機は都市部や駅前にも大型店舗を出店しています。

また、ヨドバシカメラを始めとした新しい勢力が全国に店舗を展開。家電業界の勢力地図が少しずつ変わろうとしています。業界研究をする上で、消費者の動向や市場の変化はぜひ調べておきたいところです。実際に店舗に足を運んで店内の様子や品ぞろえを確認するのもいいかもしれません。

動向2:業界の課題

家電業界における課題で第一に挙げられるのが、激化する価格競争です。アマゾンや楽天などインターネット通販が台頭することにより、価格競争は年々激しいものになっていくでしょう。

家電量販店各社ではどうしても限界があるので、価格だけではない新しい価値を創造することが求められてきます。例えばエディオンのアフターサービスの強化はその一環とも言えます。これからも消費者のニーズはどんどん変化していくので、それらを先回りして発掘することが重要になるでしょう。

また、少子高齢化も大きな影響をもたらしています。高齢化が進むということは、家電量販店に訪れる人々の数が年々減っていくということでもあります。

しかし、少子化が進んでいるので、店舗の来店者数を増やすことは年々難しくなってくることでしょう。このような背景を踏まえて、今後、家電業界を形成する各企業に求められるのは、一人ひとりのお客様が現在よりも多く来店する環境を作り出すことです。そのためには新しいサービスの創造が重要になるでしょう。

業界研究をする時には、各社がどんな戦略を描いているかしっかりチェックすることが重要です。

動向3:業界の今後の将来性

人々の生活に必要不可欠な製品をたくさん取り扱っている家電量販店ですが、これからは、変化する人々の生活に新しく必要とされる製品を扱うことが重要になってくるでしょう。業界自体の革新がない限りは、これ以上の市場拡大は難しいかもしれません。

しかし、インターネット通販に変わる販売システムを構築できた時などは、より多くの人によりたくさんの家電製品を届けられるようになるので、新たな市場を拡大すると同時に家電業界全体の活性化が推進されることでしょう。

そのためには業界の上位を走るヤマダ電機やビックカメラなどがどんな戦略を打ち立て、どう展開していくか、しっかりチェックしていく必要があります。

安定を求める学生にとっては、家電業界には最適な業界かもしれません。「腰を据えて働き続けたい」「たくさんのお客様の生活に貢献したい」などの考えをお持ちの学生はぜひ業界研究をしてみることをおすすめします。きっとこれまでは知らなかった家電業界のいいところをたくさん発見できると思いますから。

おすすめの業界研究本

図解入門業界研究最新電機業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本第2版 (How‐nual Industry Trend Guide Book) 福井 晋 (著)

アマゾンで販売されていますが、レビューを見ると「家電業界の構造が非常に分かりやすい」というコメントがたくさんあります。業界研究をする上で、ぜひ読んでおきたい1冊です。