【業界研究】リサイクル業界の現状・動向・課題について

業界の現状

リサイクルショップの誕生

日本にリサイクルショップが生まれたのは、1970年代といわれています。

高度経済成長期の大量生産・大量消費を基調とした社会がオイルショックを経験したことで、資源の無駄遣いに敏感になり、消費者を中心にリサイクル運動の機運が高まったのです。

しかし、当時のリサイクルショップは、衣料品、家具などの生活用品を扱う店がほとんどで、まだ従来の「質屋」のイメージそのままでした。リサイクルショップとは、不要となった中古品、新古品を再販売する店舗のことを指します。

1991年に「再生資源の利用の促進に関する法律」が施行され、リサイクルがビジネスモデルとして定着すると、一気にリサイクルショップの専門化が進み、リサイクルショップ大手がチェーン展開を推し進めたことで、リサイクル業界は形成されていきました。

古物営業法

リサイクルショップを開業するには、古物営業法に基づいた許可が必要となります。リサイクルショップでの取扱商品は、古物営業法による分類では次の13種類です。

  • 美術品:書画、彫刻、工芸品など
  • 衣類:和服、洋服、その他衣料品
  • 時計、宝飾品類:時計、眼鏡、宝石、装身具、貴金属
  • 自動車:部分品含む
  • オートバイ、原付:部分品含む
  • 自転車:部分品含む
  • カメラ
  • 事務機:PC、コピー機、プリンタなど
  • 機械・工具:家電、工作・土木機械、工具など
  • 道具類:家具、什器、楽器など
  • 皮革・ゴム製品:カバン、靴など
  • 書籍
  • 金券類

主なリサイクルショップ専門店

リサイクル業界では、大手を主体として商品の種類ごとに店舗を細分化する動きがあり、消費者にとっての利便性に繋がっています。以下、主なリサイクルショップとその品目になります。

トレジャーファクトリー

電化製品、家具、衣類

コメ兵

ブランド貴金属、時計

ハードオフ

電化製品、楽器

ブックオフ

本、CD、ゲームソフト

オフハウス

衣類

2nd STREET

電化製品、家具

ゴルフパートナー

ゴルフ用品

タックルベリー

釣り具

リサイクル業界が成長を続けている要因としては、以下の5点が考えられます。

  • 店舗がチェーン店化して利用しやすくなっていること
  • 消費が多様化し、中古商品への抵抗感が低下したこと
  • 単純に、ものが余っているということ
  • インターネットショッピングの普及により、さらにリサイクルショップを利用しやすくなっていること
  • 消費者や企業のリサイクル意識が高まっていること

基本情報

  • 市場規模:3,935億
  • 労働者数:3,582人
  • 平均年齢:34.1歳
  • 平均勤続年数:6.2年
  • 平均年収:421万円

市場規模の小ささや勤続年数の短さが、リサイクル業界がまだ生まれて間もない未成熟の業界であることを示しています。ただ、市場規模が小さいと言っても、この業界は右肩上がりで業績を伸ばしている業界でもありますので、今後は市場の拡大にともない賃金が上昇する可能性も十分にあります。

仕事内容

リサイクルショップの仕事は、店頭であれ、ネットであれ、お客さまに商品を販売することになります。ですので、すべての販売業と接客等の基本は同じです。ただ、リサイクルショップ特有の仕事として、買取作業と買い取った商品を売れる状態にする作業があります。

買取作業は、大手の専門店の場合は、買取対象とする商品の査定額を会社や店舗ごとに統一して対応しているところが増えていますが、それ以外の専門店の場合は、目利きの要素が含まれることも多く、商品知識や経験が必要になります。

そして、買い取った商品をそのまま売るわけにはいきませんので、本なら日焼けした部分を削り、カバーを磨く作業、衣類なら洗濯・殺菌して清潔な状態にするクリーニング作業が必要になります。

業界シェアランキング上位3位

1位:ブックオフコーポレーション:791億円
2位:コメ兵:402億円
3位:テイツー:313億円

平均年収ランキング上位3位

1位:コメ兵:578万円
2位:ブックオフコーポレーション:466万円
3位:ハードオフコーポレーション:458万円

業界の動向

スタートゥデイが「ZOZOフリマ」を開始

「ZOZOTOWN」を展開するスタートゥデイが、フリマアプリ市場で簡単に出品ができる「ZOZOフリマ」サービスをスタートしました。

フリマアプリ市場では後発になりますが、ZOZOTOWNで購入したものであるならば簡単に出品できたり、商品がZOZOのデータベースに登録されていればZOZOが用意した新品の写真を使って出品できたりと、利用者にとっての便宜性を図ることで、競合他社との差別化を実現しています。

ハードオフは好調維持

リサイクル業界が拡大を続けるなかで、ハードオフコーポレーションは買取機能を強化し、さまざまな販売専門店を展開しています。

そのなかでも注目を集めているのが、酒の買取専門店の「リカーオフ」です。店舗では、ワインやシャンパン、ブランデー、ウイスキー、ビール、日本酒、焼酎など幅広い品揃えを展開しています。

また、酒の知識を持つJSA公認ソムリエが品質と状態の管理を行なっているので、客は安心して購入することができるようになっています。買取は店頭だけではなく、宅配買取サービスも行なっているので、近隣に店舗がなくても手軽に買取ができるようになっています。

本はインターネットオークションが活況

ヤフーは、インターネットオークション「ヤフオク!」における本・雑誌カテゴリの常時出品冊数が2016年の時点で500万冊を突破したと発表しました。2014年と比べて約3倍もの増加となっています。

これは、同サービスにストア出店している「ブックオフ・オンライン」が漫画やコミックスといった書籍全般の出品を開始したことが大きく関係しています。

ヤフーは、ブックオフコーポレーションと業務提携を行い、実店舗「ヤフOFF!フラッグシップストア」を渋谷にオープンさせるなど、さらに協業を進めていくとのことです。

市場動向

リサイクル業界の市場規模は3,935億3,633万円

日本リユース業協会の資料によると、正会員・準会員の19社の2015年度の売上高は前年比7.3%増の3,935億3,633万円となりました。

大手リサイクル店の売上高はいずれも昨年度を上回っており、業界の好調さが伺えます。ハードオフコーポレーションは2016年6月の時点で826店ある店舗数を4年後までに1,000店にすることを目標にしています。

業界の課題

コンセプトを明確にした店づくり

リサイクル業界では、総合的な品揃えを誇る店舗が苦戦しています。

リサイクルショップは総合的な品揃え型店舗と商品の種類を絞り込んだ専門店型店舗に分けることができますが、前者の場合、広く浅い品揃えになってしまう上に、ある程度の店舗スペースが必要になることが多く、経営的な問題を抱えてしまう傾向にあります。一方、後者では、取扱品目によっては小さい店舗でも狭く深い品揃えが可能となるので、収益を上げやすくなるなるというメリットがあります。

ネットオークションとの競合も激しくなっている現在では、ストアコンセプトを明確にして店舗づくりを行うことが大切になっています。

仕入れの強化が大切

中古品は、新品と異なり仕入れ量の調整が難しいという特性を持っています。

以前は、店頭での消費者からの買取または中古品市場からの購入が主体となっていましたが、中古品売買の伸長により、そういったやり方だけでは不十分となっています。

現在は、大手企業を中心に、インターネットでの商品買取や宅配便を活用した買取システムを導入しているところが多くなっており、今後も中古品の安定確保のために仕入れチャネルを増やして、仕入れ力の強化を図っていくことが必要となっています。

業界の今後の将来性

市場規模はさらに拡大する見込み

現在のリサイクル業界は、インターネット販売の普及により日本全国から欲しいものを探せる環境が整ったことで活況となりました。

また、これまで消費者にとって分かりにくかった中古品の価格についても、ネットやフリマアプリなどを利用することにより、情報収集がしやすくなっていることもリサイクル業界成長の要因となっています。

インターネットで欲しいものを購入し、実店舗では欲しいもの自体を探す等、ネットと実店舗のすみわけも大切になってきますが、中古品に対する抵抗感が薄れ、リサイクル業がビジネスモデルとして認知された今、これからはさらに新規顧客の開拓は進み、市場は成長を続けると考えられています。

経済産業省によると、リサイクル業界の市場規模は2025年には2兆円に達する見込みとのことです。

おすすめの業界研究本

『日経業界地図 2017年版』日本経済新聞社

日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。

『会社四季報 2017年 2集春号』東洋経済新報社

国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのが人気の理由です。

『リサイクル通信』リフォーム産業新聞社

毎月2回発行されているリサイクル業界の専門誌です。業界動向、リサイクルショップ情報、中古商品の調達方法のほか、全国古物市場一覧が掲載されています。リサイクル業界は変化のスピードが早く、ネットにもほとんど情報がない状況ですので、この業界を志望される方は業界研究として目を通しておくことをおすすめします。