【業界研究】ホームセンター業界の現状・動向・課題について

ホームセンター業界の現状

ホームセンターという業態自体は約40年前に誕生したばかりで、ワンマンで社長を務めてきた創業者の世代が高齢化してきたことによって、事業継承の時期を迎えています。そのため、非上場会社をはじめとして、身売りするケースが散見されるようになりました。

ホームセンター業界は品揃えの豊富さを武器に、郊外のロードサイドで大きな売場を展開することで業界が成長してきました。しかしながら、相次ぐ出店による市場の飽和や法律による規制強化、人口減少などを背景に、これまでの勝ちパターンであった郊外のロードサイドで多品種の提供を行う手法がうまくいかなくなってきています。

ホームセンターの主力商品でもあり、利幅を獲得に貢献する戸建住宅関連商品が、人口減少とそもそもの戸建住宅の減少で市場が縮小していくことが予想されています。業界は最盛期を経て、ここ10年ほどは年間4兆円弱の市場規模が続き、成長が鈍化しています。日本における人口の推移は間違いなく減少傾向にあるため、ホームセンターの市場規模もそれと連動するように縮小が見込まれています。

このようなマイナス局面において、ホームセンター業界各社は新規出店で市場規模を拡大、維持しようと努力をしてきましたが、その戦略も最近では意味の無いものになりつつあります。市場自体が縮小していき、出店に適した場所の限られるこの状況においては、同業他社をM&Aすることによる単純なシェア拡大が合理的な判断となり、その動きが広がっています。

ホームセンター業界における最大手は『DCMホールディングス』という会社で、この会社は『カーマ』と『ダイキ』の業務提携に始まり、それに『ホーマック』が後から合併することでできた一大グループです。

元々、カーマは中部地方において店舗展開をしており、ダイキは中四国と近畿地方、ホーマックは北海道といった具合に、各々が店舗展開している地域に重複が見られなかったことがうまくシナジー効果を出せて、最大手に躍進することができた好例となっています。

現状1:基本情報

ホームセンター業界の市場規模は2兆8,111億円で、全体の業界で見ると中堅どころの業界になります。ホームセンター業界で働く労働者数は19,896人となり、労働者の平均年齢は38.8歳になります。この業界の労働者の平均勤続年数は12.1年で他の業界と比較しても、長い期間、この業界に携わる人が多いことが分かります。

学生にとって気になる平均年収は478万円と、給料の面ではあまり期待できない業界になります。サラリーマンの平均年収が400万円程度なので、それほど多くの給料をもらうことのできない業界と言えます。

ホームセンター業界はDIY(Do It Yourselfの略)関連商品や住宅関連商品を提供しています。また、家電や日用品、ペット用品も提供する総合的な小売業とも言えます。ホームセンターの特徴はセルフサービスが基本で、来店客が自由気ままに多種類の商品を見て回ることができるようになっています。

そのため、ホームセンターでは商品の品出し、陳列、レイアウトを行ったり、売れ筋商品を魅力的に見せるためにポップを作成したり、困っているお客の接客をすることがメイン業務になります。会社によっては商品開発などの仕事をすることができる会社もあります。

現状2:業界シェアランキング上位3位

1位:DCMホールディングス(売上高:4,341億円 シェア率:15.4%)
2位:ニトリホールディングス(売上高:3,876億円 シェア率:13.8%)
3位:コメリ(売上高:3,355億円 シェア率:11.9%)

ホームセンター業界は上記3位までの会社がいずれも10%を超えるシェア率を獲得しており、ビッグ3の様相を呈しています。

特に1位のDCMホールディングスは、強い地盤を築いているホーマックブランドの堅調な売上の貢献によって、他社から頭一つ抜け出した存在になっています。

現状3:平均年収ランキング上位3位

1位:ニトリホールディングス(783万円)
2位:DCMホールディングス(713万円)
3位:ワークマン(596万円)

どの業界にも言えることですが、その業界全体で見たときの平均年収が少なかったとしても、業界トップクラスの会社においては高い水準の年収をもらえることがほとんどです。

ホームセンター業界も例外ではなく、全体の平均年収は478万円と低いですが、2位のDCMホームセンターや1位のニトリホールディングスは700万円を超えるほどの高い給料をもらえることが分かります。ただし、3位以下になると100万円以上も平均年収はダウンするので、ホームセンター業界における平均年収はトップ2だけが飛び抜けて良い状況になっています。

業界の動向

動向1:市場動向

住関連商品を中心に供給するホームセンター業界は3兆円程度のマーケットであるが、このホームセンター業界は約40年前の誕生から2000年前後まで順調に成長と続けてきました。ホームセンター業界はプライベートブランドの展開など、各社各様に得意商材を展開し、多品種の品揃えを武器に消費者を取り込んでいきました。

在庫の回転率が低く、他の小売業が扱わない日用品や園芸用品、カー用品など、特徴ある商品を集めて陳列することで消費者にホームセンターに行けば何でも揃っているという意識をうまく植え付けることに成功し、ここまで成長してきました。これだけ多くの種類の商品を展示するため、ホームセンターには広大な土地が必要になります。

よって、ホームセンターは郊外への出店が基本戦略になりますが、当初は人がわざわざ来店するのか、と疑問を呈する声もありましたが、自動車の普及などの背景も手伝って、ローコストで出店が可能な郊外のロードサイドでの店舗拡大を行ってきました。

2000年前後までは堅調な成長を見せていましたが、ドラッグストアなどの同じ商品を扱う他の業種の台頭のあおりを受けて、ホームセン ターは食品・日用消耗品などの他でも扱っている商品のシェアを急速に奪われることになりました。

また、家具のニトリや日用品を販売する無印良品などの専門店が幅を利かせるようになると、戸建住宅向けに展開していたインテリアなどの利益率が比較的高い商品のシェアも失 うようになり、集客力・収益力が弱まったホームセンターは、他業界からの新規参入にかなりのシェアを奪われてしまいしました。新規参入業者によるシェア消失と同業によるシェアの奪い合いによって、ホームセンター業界の競争力はみるみるうちに衰えていきました。

ホームセンター業界の商品はどこでも扱えるような独自性に欠けるため、品揃えの多い店舗が強い集客力を持つという店舗大型化戦略が業界における最適戦略となっています。このような背景からほとんどのホームセンターはこぞって店舗の大型化にシフトし、郊外に大型店舗を次々と開店していきました。

しかし、成長の鈍化した2000年移行はそのような戦略の行き詰まりや規制強化の影響を受けて、市場規模を縮小させていきました。日本の社会においては、人口は郊外であるほど減少する傾向にあるため、郊外に大型店舗を構えて、そこにお客を呼び込むということ自体が無理を生じるようになってきており、新たな戦略を打ち出すことが求められています。

動向2:業界の課題

ホームセンター業界が抱える課題には商品力強化による差別化が挙げられます。同業他社や、他業界が簡単に仕入れ販売できるような独自性の無い商品は利幅がどんどん少なくなり、うまみがなくなるため、プライベートブランドの商品を開発するなど、この会社でしか売ってない商品というものをもっと展開すべきと言えます。

また、ホームセンター業界はどの会社のどの店舗に行っても、全く同じ店舗のレイアウトになっています。これでは、消費者はどの店舗に行っても変わらないという印象を持ち、会社や店舗独自の強みなどがアピールできない状況になっています。商品の入れ替えを頻繁に行ったり、何か他と異なる戦略を取らない限り差別化が図れず、どこでも一緒という印象を持たれてしまいます。

他には、新たなマーケットの開拓も課題として考えられます。リフォ ーム、農業、EC、海外展開などの新分野の開拓は徐々に進んでおり、コメリが農業分野における支援体制を構築したり、コーナンが職人向けのシェアを拡大を進めたりしています。

ホームセンターは様々な商品を扱っていますが、プロ向けの工具や資材が売上のウェイトが大きく、高い粗利益率を出しています。一般的にはプロ向けの商品は利益の確保が難しいと言われていますが、ホームセンター独自の品揃えの豊富さと短納期を実現することによって、高い価格で商品を販売することができていると言われています。

しかし、粗利益率の確保できる商品というものは、オンラインショップにとって格好の餌となり、ECを展開する会社にとっての研究材料にすぐなってしまいます。そのため、最近ではオンラインショップでの商品販売が増え、ホームセンターにおける優位性が失われてきています。

さらに最近では、豊富な品揃えが武器ホームセンターよりもオンラインショップの方が圧倒的に品揃えが良くなり、益々窮地に立たされている状況となっています。

動向3:業界の今後の将来性

ホームセンター業界は人口減少や少子高齢化という小売業共通の課題に加え、都心回帰の現象が追い打ちをかけるように影響を与えていて、年々厳しい状況に陥ってきています。

都心回帰による都会の人口集中が意味することは、戸建住宅の需要が減り、マンションの需要が増えるということです。基本的にマンションにはホームセンター業界の主力商品である戸建住宅向け商品の需要が少なく、市場規模縮小の直接的な原因になってしまっています。

ホームセンター業界各社は、縮小する既存マーケットを補うべく新たな需要喚起と、次の金のなる木となりうるビジネスモデルの構築が急務となっています。安易なM&Aの戦略による規模の拡大ではなく、根本を変えるような効果的な戦略がホームセンター業界には求められています。

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