【業界研究】アパレル業界の現状・動向・課題について

アパレル業界の現状

アパレル業界というのは世間一般的なイメージでは衣服を指すことが多いですが、この業界は衣料の製造、流通、販売にいたるまで、その一連のどこかに携わる産業をアパレル産業と呼んでいます。アパレルはそもそも、Apparelという衣料を意味する英語からきています。

アパレル業界は景気に直接的に影響を受ける業界で、消費動向に売上が左右されます。電気やガスなどのライフラインや、生きるために必要な食料などと違って、不景気の局面では一番先に抑えるべき出費として買い控えを消費者が一斉に行うため、業界の売上拡大は基本的に経済が好況の局面となっています。

日本がバブル景気に湧いていた時代は、それこそ海外のハイブランドをみんながこぞって買い漁る様子を見ることができましたが、その後の平成不況、世界金融危機や東日本大震災などの不景気の局面では、生活必需品以外の買い控えを行った影響でアパレル業界も不振に陥りました。

しかし、そういった世界的な不景気やパンデミックスを乗り越えて、直近では業界全体で売上を伸ばし始めています。消費者の価値観が急速な変化を見せる日本では、アパレル業界もその時々の時代のニーズに合わせる必要があります。

これまではアメリカの価値観をなぞって、大量生産大量消費を背景としたメーカーが強者として消費者を誘導する業界構造が続いていました。しかし、近年の価値観やニーズの多様化など、目まぐるしく消費者の動向が変化する影響で、商品のライフサイクルもどんどん短くなり、これまでメーカーが主導していた絶対的地位は低下してしまいました。

その中で、このような激変の時代における消費者ニーズにうまく対応した【ユニクロ】や【しまむら】などのファストファッションを展開する会社は、業界をリードするほどのトップブランドとして市場を席巻しています。

時代のニーズにうまく合わせている上位に君臨する会社と、独自のコンセプトでブランド展開している会社とは売上規模が非常に乖離してきており、勝者と敗者が背中合わせに存在する厳しい業界になってきています。

店舗展開をしているブランドの最重要キーワードは【ファストファッション】ですが、それに対を成すほどにアパレル業界で重要なキーワードが【インターネット通販】です。アパレルをインターネットでいかに販売していくかが、アパレル業界における需要な戦略となっています。

その証拠に、携帯のファッションサイトを女性向けに運営している『girls walker』や、男性用のセレクトショップをインターネット上に集めて販売を展開しているスタートトゥデイの『ZOZOTOWN』などは、携帯での検索や閲覧を最適化することで、目を見張るほどの急成長を遂げています。

基本情報

アパレル業界の市場規模は4兆7,867億円で、全ての業界から見るとそれほど大きな市場を形成しているわけではありません。この業界で働く労働者の数は35,663人で、平均年齢は38.9歳になります。アパレル業界はそれほど給料が高くなく、かつ肉体労働の側面もあり、過酷な労働条件ということもありこの業界で働く人の平均勤続年数は12.3年と比較的短い期間になっています。

アパレル業界は従業員100名未満の企業が全体の8割にも及び、街角で小さな店舗を構えているような零細企業が大半を占める業界になります。そのため、平均年収は507万円となっていて、高い給料をもらえる業界ではないことが分かります。

仕事内容

アパレル業界の仕事は、業界の川上から川下までを細かく分解してみるとよく分かります。アパレルの原料は糸なので、糸の生産・販売をする業者、糸から生地にする生産・販売業者、生地を服にする生産・販売業者、服を販売する小売業者といった具合に原料から服にいたるまでに様々なプレーヤーが介在していることが分かります。これら全てがアパレル業界と我々が呼んでいる業界のプレーヤーです。

アパレル業界はメーカーの側面と、作ったものを売るための販売、企画、プロモーションの仕事があります。メーカーは糸や生地、服といった各セクションのものづくりを行い、販売部門がそれらを売ることになります。糸や生地と違って、服の販売には路面店が必要になるので、販売企画やプロモーションが大事になってくるので、職種は川上にいくほど幅が広がる業界になります。

職種という側面で細かく見ると、販売、生産管理、営業、店長、企画、プロモーション、商品開発、バイヤー、MDなど様々な職種があります。

業界シェアランキング上位3位

アパレル業界のシェアランキングはこのようになっています。

1位:ファーストリテイリング(売上高:1兆1,430億円 シェア率:23.9%)
2位:しまむら(売上高:5,018億円 シェア率:10.5%)
3位:ワールド(売上高:3,173億円 シェア率:6.6%)

このランキングを見て頂ければ一目瞭然、ユニクロのブランドを展開するファーストリテイリングが、アパレル業界では売上もシェア率もダントツNo.1を獲得しています。2位にはしまむらがランクインしていますが、ファーストリテイリングと比べると三分の1の規模になっています。3位のワールドはタケオ・キクチなどのブランドを展開する会社になります。

平均年収ランキング上位3位

アパレル業界の平均年収ランキングはこのようになっています。

1位  オンワードホールディングス(998万円)
2位  リーバイ・ストラウス ジャパン(817万円)
3位  トライアイズ(791万円)

業界のシェア率が高い3社がここでは出てこないのが、アパレル業界の面白いところです。アパレル業界は全体の平均年収は507万円と低いですが、ランキングの高い企業は他の業界と遜色がないくらいの高い年収をもらえます。

3位のトライアイズは、百貨店などに店舗を展開している東京ブラウスという高級路線のブランを展開しています。2位はリーバイスブランドでデニムの販売を世界的に展開している会社です。1位のオンワードは23区、自由区、ポール・スミス、カルバン・クラインなどのブランドを展開する会社で、アパレル業界では飛び抜けて高い給料をもらえる会社になっています。

ちなみに、アパレル業界で圧倒的なシェア率を誇るファーストリテイリングの平均年収は、5位にランクインし709万円になっています。

業界の動向

市場動向

昨今、可処分所得の減少や価値観の変化によって、「おしゃれ」の概念が大きく変化しています。それは、ファストファッションという概念が台頭し、安価でありながらもその時代の流行を反映させた商品を提供するというものです。

ファッションの流行りは移ろいが早く、今年買ったものが来年には古臭いスタイルになるほど、目まぐるしく変化していきます。最近は、若者に限らず、ファッション好きな人のゾーンが広がり、様々な人がオシャレを楽しんでいます。

しかし、長引く不景気や不況の影響で、日本人がどんどん貧しくなってきている中で、オシャレにお金を掛けられる金額が減ってきています。そこで、コンセプトとして受け入れられたのがファストファッションになります。

安く、流行りのものを、欲しいタイミングで買える。そんな消費者の要望に上手く応える体制を構築したファーストリテイリングは、一気に全国、海外に店舗を展開し、さらに業界の巨人として君臨するようになりました。

幅広い層の人達がファッションを楽しんでいると言っても、やはり流行を作り出すのは若い層です。しかし、若い層の人達はたくさんのお金をファッションに使うことができないため、ブランド物を買えるような資金はありません。また、若い層の人達は、他人からどう見えるか、という客観的な見え方をファションにおいては重要視します。

そのため、安いけどダサく見えない服を求めています。ファーストリテイリングやしまむらは、このようなファッションの流行を作り出す若い層のニーズを敏感に嗅ぎ取り、その要望に合わせて服作りをすることでうまく若い層を味方に付けて急拡大しました。

これまでの衣料メーカーは、企画・生産した商品を、デパートや小売店に卸して、そこで売ってもらうことが一般的な流通形態でした。製造自体も、メーカーは他社に委託して、自社で服を作るということはしていませんでした。

しかし、ファーストリテイリングは企画・生産、販売という全ての一連の流通を全て自社で行うという、日本のアパレル業界では考えられない常識破りなやり方をして成功しました。このファーストリテイリングの生産から販売までを一気通貫に行う方式は、業界で流通革命を起こしたと言われて、大注目を浴びています。

基本的に洋服を作ってる会社は生地、ボタン、ファスナーとかは問屋を通して買っています。このようにパーツごとに問屋を何社か通過していくうちに、最終的な服の値段がどんどん上がって行ってしまうのです。ユニクロは問屋を通さず、生地の買い付けも自社で行い、それを契約した工場で製品にしてもらっています。

このようにして、大量の注文をすることで、最終的な服の値段を安くすることを実現しています。従来のアパレル業界では当たり前とされていた商習慣である、問屋を通さないという商売の仕方が革命だったのです。

このようなファーストリテイリングの業界を一変させる流通方式が市場に衝撃を与え、それに追いつけ追い越せということで各社が改善をしているのが業界の現状になっています。

業界の課題

アパレル業界で大きな課題とされているのが、慢性的な人員不足です。服が好きだから、オシャレが好きだから、という理由だけでアパレル業界に足を踏み入れる人が散見されます。好きなことを仕事にする、という観点では間違ってはいないのですが、安い給料、肉体労働的な側面に嫌気が差してしまい、職を離れる人が一定数います。

また、インターネットの普及で、消費者は自分の好みのものへのアクセスが容易になり、メーカー主導で売りたいものを買ってもらう、ということができなくなってしまいました。自由に使えるお金が少なくなったこともありますが、安いからという理由では物を買わず、自分に必要なものしか買わなくなり、高級品にこだわる人もいなくなりました。

そのため、業界各社は賢い消費者が満足するような絶妙な価格設定やスタイルを提供しなくてはいけなくなっています。

業界の今後の将来性

アパレル業界は上述したように、製造・問屋・小売を分ける流通方式から、すれらを一貫するSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)へと変化を遂げています。そうすることによって、変化の激しい顧客ニーズに対して、適切なタイミングで消費者が欲しいものを提供できるようにしています。

これらの構造変化に対応しているファーストリテイリングなどの企業は一気に成長を遂げている一方、百貨店の閉鎖に見られるように、ハイブランドは低迷の一途を辿っています。若者の高級志向がどんどん薄れているのです。

つまり、安価で品質の良いものであれば飛ぶように売れますが、ブランド名が付いているだけで、大した品質でないものには見向きもしなくなってしまいました。日本のアパレル業界が生み出す服のセンスの良さや品質の高さは、世界でもトップクラスであることは間違いありません。

そのため、それを武器に日本市場ばかりに目を向けているのではなく、海外に出ていって拡販をいかにしていくことができるかが、日本の今後のアパレル業界の将来性を占う要素になります。

おすすめの業界研究本

ここでは、就活生がアパレル業界を研究するときにオススメの本をご紹介します。

  • 図解入門業界研究 最新アパレル業界の動向とカラクリがよーくわかる本[第3版]
  • 1秒でわかる!アパレル業界ハンドブック
  • 今、ZOZOTOWNは何を考えているのか?
  • 1時間でわかる 図解ユニクロ<1時間でわかる 図解ユニクロ>

業界研究をすれば、就活の戦い方がわかる

いかがでしたでしょうか。

この記事だけでも、業界の展望や各企業の力関係など、様々な発見があったかと思います。業界研究をせずに企業だけを調べても、業界全体の流れがわからず、狭い視野での企業研究になってしまいます。

自分の志望する業界は、かなりの時間を割いてでも研究するべきでしょう。

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