【業界研究】中古車業界の現状・動向・課題について

業界の現状

主流はオークション

中古車業は、中古車卸売業者や新車ディーラーなどから中古車を仕入れて、消費者に販売する業態です。

大手の中古車販売業社のなかには消費者から直接中古車を買い付け、自社店舗で小売と卸売を行う業者もありましたが、近年では、実物の中古車を展示した会場で行うオークションとネットオークションが普及し、仕入先の主流となっています。

基本情報

  • 市場規模:2兆4,935億円
  • 労働者数:71,723人
  • 平均年齢:36.7歳
  • 平均勤続年数:6.2年
  • 平均年収:465万円

市場規模は2兆4,935億円と比較的大きい数字になっており、これはブライダル業界や化粧品業界とほぼ同程度の規模となります。

この市場規模で平均年収465万円というのは少ないようにも感じますが、中古車業界というのは基本的に販売業なので、営業の給与はインセンティブになっていることが多いです。

つまり、車を販売した台数によって給与が決まるということです。ですので、営業成績さえ良ければ、年齢に関係なくもっと多くの金額を稼ぐことも可能なようです。

仕事内容

中古車業界の仕事は、車に関すること全般に幅広く関わる仕事になりますが、大まかには「営業」と「整備」に分けることができます。

営業の仕事は、お客さまに接客を行なって車を販売し、お客さまの元へ納品するのが基本業務になります。また、最近では、自動車ローンや自動車保険の販売も行うことが多くなっています。そして接客以外にも、商品となる中古車の清掃や、ネットに掲載するための写真撮影が重要な業務になります。

整備の仕事は、もちろん車の整備になりますが、整備にはお客さまに納品するための整備と、納品した後の定期的もしくは突発的な整備があります。中古車の場合、特定のメーカーだけというわけではなく、さまざまなメーカーの車種を扱います。

業界シェアランキング上位3位

1位:IDOM:1,693億円
2位:ユー・エス・エス:679億円
3位:ケーユーホールディングス:612億円

平均年収ランキング上位3位

1位:ユー・エス・エス:573万円
2位:ハナテン:550万円
3位:システム・ロケーション:534万円

業界の動向

中古車の個人売買広がる

インターネットを通じて、中古車の個人間売買を仲介する業者が増えています。中古車業界における流通は、買取店が消費者から買い取った車をオークションにかけるのが一般的ですが、業者間取引では、消費税がかかるほか、中間マージンも発生します。一方、個人間売買は消費税が非課税で、売り手買い手ともにメリットがあります。

2014年の消費増税を機に、個人間売買に参入する事業者が相次ぎました。情報サイトのオールアバウトとカーコンビニ倶楽部は、2014年に個人間売買を支援するサイト「カーコン・マーケット」をオープンしました。車を売りたい人は、出品申込みをして、最寄りのカーコンビニ倶楽部の店舗に車を持ち込めば、専門スタッフが査定を行なってくれるサービスになっています。

軽の未使用車の取り扱い強化

セダンやミニバンなどの登録車の販売が落ち込む一方、軽自動車の販売が堅調となっています。

その要因の1つに未使用車の存在があります。未使用車とは、買い手の消費者が決まらないまま販売会社が自社名義で届けを出した車を指します。未使用車は走行距離が100キロ以下の場合が多く、一度届け出ているために新車扱いにはなりません。また中古車とも異なるため、未使用車や新古車とも呼ばれ、新車よりも安いので人気が高まっています。

中古車業界全体で海外事業を強化

日本の中古車は燃費性能の高さなどから海外で人気があり、中古車輸出は増加傾向が続いています。クルマ情報誌「Goo」を展開するプロトコーポレーションは、運営する中古車輸出専用のサイトで国内輸入業車と海外バイヤーの取引を仲介しています。

ガリバーが個人間売買市場に参入

ガリバーを運営するIDOMは、個人間で中古車売買できるスマートフォン向け専用アプリケーション「クルマジロ」を2015年にスタートさせました。さらに、2016年にサービスを拡張し、店舗に行かなくてもスマホから出品できるセルフ出品機能とウェブサイトで出品・購入できる機能が追加されました。

ガリバーが第三者として個人間の取引を仲介することにより匿名で売買でき、複雑な手続きを代行してもらえるというメリットがあります。

「ヤフオク!」とミエルカが提携

消費税がかからず、手数料も定額で済む個人間取引が増えています。

「ヤフオク!」は、2015年にmieruCAR(ミエルカ)と提携しました。ミエルカが提携している全国1万ヶ所の整備工場で点検を受けてミエルカに出品された中古車は、「ヤフオク!」内に設置された「ミエルカストア」に自動出品されます。「ヤフオク!」で落札後は代金支払い完了まで必要な業務をミエルカが一括してサポートします。出品者と購入者のあいだで一切個人情報が開示されない点が特徴となっています。

市場動向

販売額は2004年比25.4%の減少

経済産業省「2014年商業統計」によると、中古自動車小売業の年間商品販売数は2兆4,935億円で、2004年と比べて25.4%減少しています。約10年間で市場規模が4分の1ほど縮小したことになります。

中古車業界の事業所数は15,393事業所で、1事業所あたりの販売額は1億6,200万円となっています。

販売台数は対前年比0.8%の減少

日本自動車販売協会連合会によると、2015年の中古車(軽自動車を除く)の販売台数は、373万2,148台でした。消費増税後の落ち込みを増税前の駆け込み需要によりカバーすることができず、通年では対前年比0.8%減となりました。

業界の課題

少子高齢化と自動車不保有問題

2060年には、2.5人に1人が65歳以上となることが見込まれています。これは中古車業界のみならず、自動車業界全体の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

つまり、「高齢者の運転免許の自主返納」や「若者の車離れ」などにより、運転者そのものが減少し、新車、中古車を問わず、自動車自体が売れなくなるのです。そして長期的にみれば、車を保有しないことが当たり前の時代、いわゆる自動車不保有時代が来るのではないかと予測されています。

長期在庫を避ける仕組みを

利益を上げるためには、ある程度の在庫車両を持つ必要がありますが、在庫を増やせば増やすほど、費用(在庫費用)は嵩んでいくという問題があります。

自社名義の在庫車両であれば、自動車税が課税されてしまいますし、展示場に展示している時点で、地代も発生します。さらには長期にわたって在庫することにより、利益率が悪化するだけでなく、いつも同じ車が並んでいるといったイメージダウンにもつながります。

長期在庫を多数抱えるという問題には、中古車業界全体で取り組み、少しでも利益率を上げることができるシステムを確立する必要があります。

イメージ戦略

中古車業界や中古車販売店のイメージというものは、決していいものではありません。自動車や自動車業界に詳しい人は別として、一般の人は「信用できそうにない」「店に入りづらい」といったマイナスのイメージを持っていることが多いようです。

これは、中古車業界および各中古車販売店で積極的に取り組むべき問題です。ウェブサイトやブログを活用して、商談から契約までの流れを紹介し、車両購入時の費用についても詳しく解説するなど、お客さまに安心してもらえるような情報を発信する必要があります。

業界の今後の将来性

環境の変化に応じたビジネス展開が必要

人口の減少や、車の保有期間の長期化の影響で、新車自体が売れなくなっている状況のなか、個人間売買が拡大して中古車業界の競争は激しさを増しています。市場規模も縮小傾向にあるので、当分のあいだは経営環境が改善することはないでしょう。

今後の対策としては、中古車販売を専業とすることにこだわらず、消費者の多様化するニーズに対応するためのビジネス展開が必要になってきます。

たとえば、自店の在庫車両を活用しての格安レンタカー事業やカーシェアリング事業への参入なども選択肢の1つとして持っておきたいところです。

おすすめの業界研究本

『日経業界地図 2017年版』日本経済新聞社

日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。

『会社四季報 2017年 2集春号』東洋経済新報社

国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのが人気の理由です。

『いまさら人に聞けない「中古車販売業」の経営・会計・税務』酒井将人

中古車販売業という仕事を、経営・会計・税務という3つの視点から解説している本です。業界研究というよりは、中古車販売業社を経営する人に向けてのアドバイスが多くなっていますが、知っておいて損はない情報ばかりですので、中古車業界を志望するのであれば一読をおすすめします。

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