【業界研究】時計業界の現状・動向・課題について

時計業界の現状

これまでの時計業界は、バブルが崩壊した時期から長引く平成の不況の煽りを受けて売上は下がり、業界規模は少しずつ縮小していました。しかし、アベノミクスなどの経済政策や海外からのインバウンド施策が功を奏し、2015年には売上が上昇し、更に経常利益ベースで見ると過去最高の利益ベースを更新するまでになっています。

日本のメーカーは一貫して高品質・高機能・低価格という路線がを打ち出して製造販売をしています。その哲学が消費者や世界のユーザーに受けて、業績を回復させるまでになり、日本のものづくりの底力を見せつけた業界と言えます。

時計業界の新たな転換期と言える2015年の需要を紐解いてみると、富裕層と海外からのインバウンドの 2 つのセクターが売上貢献に寄与したことが分かっています。富裕層を百貨店に誘うプロモーションや、景気回復による会社員のボーナス増加などの要因によって、これまで財布の紐が堅かった平均的な所得の消費者にも購買意欲が旺盛になったことが一因として考えられています。停滞ムードだった2014 年からわずか1年で売上は大きく拡大して、状況が好転しました。

しかしながら、海外からのインバウンドは一服感があり、今後大きく拡大することは見込めないため、以前の市況に逆戻りする恐れもありますが、この好循環を継続させるべくスポーツウォッチなどの新しいニーズを時計業界は切り開いていこうとしています。

現状1:基本情報

時計業界の市場規模は9,737億円で、様々な業界の中では小さく、ニッチな業界と言えます。この業界で働く労働者数は3,343人になります。時計業界はメーカーになるので、工場で働く職人と言われるような人が多く存在しています。時計業界で働く人の平均年齢は44.3歳です。

時計のような精巧な精密機械は、一朝一夕に作れるものではなく、熟練の技術者によって支えられているため、他の業界と比較すると平均年齢は高めになっています。時計業界の平均勤続年数は18.5年です。この数字も他業界と比較すると長く、一人一人の労働者が技術を極めるべく、長い期間この業界一筋で仕事に携わっていることが分かります。

時計業界の平均年収は725万円です。市場自体はニッチで小さく、労働者の平均年齢が高いことも理由ではありますが、労働者数に対する高い売上と十分な利益が出ていることから、高い給料がもらえる業界になっています。

時計業界の仕事は、大きく2分されます。メーカーになるので、工場の現場で時計を作る職人としての仕事と、それをプロモーションしたり販売する役割の仕事です。メーカーはどうしても製造現場の職人が花形であったりしますが、ブランド系の商材はそれを販売したり、ブランディングをするマーケティングの人も非常に重要な役割を担っています。

就活生の人は、ご自身がものづくりの現場に携わりたいのか、それをプロモーションして、多くの人に使ってもらいたいのか、選択する必要があります。

 

引用元:業界動向SEARCH.COM

現状2:業界シェアランキング上位3位

時計業界のシェアランキンを以下に掲げます。
1位:カシオ計算機(売上高:3,217億円  シェア率:33.0%)
2位:シチズンホールディングス(売上高:3,099億円  シェア率:31.8%)
3位:セイコーホールディングス(売上高:3,082億円  シェア率:31.7%)
4位:リズム時計工業(売上高:339億円  シェア率:3.5%)

このランキングを見ての通り、日本の時計業界はカシオ計算機、シチズンホールディングス、セイコーホールディングスの3社で90%以上のシェアを占めているという状況になっています。この3社は各々が独自の強みを活かした時計作りをし、プロモーションを展開しています。

1位のカシオ計算機は、何と言ってもG―ショックが安定した強さを発揮しています。2016年は800万個を超える出荷台数を記録し、90年台後半に起きたブームを更に超えるムーブメントが起こりつつあります。

最近のブームを支えているのが、アジアの新興国での売上で、若い世代にファッションアイテムとして受け入れられていることが大きな原因となっています。カシオ計算機はG―ショック以外にも、『オシアナス』や『エディフィス』といったブランドを展開しており順調な売上を上げています。

2位のシチズンホールディングスは、女性向けブランドである『クロスシー』や、高級路線の『カンパノラ』といったブランドが堅調に売上を伸ばしています。また、GPSを搭載させた『F900』モデルも売れ行きが良く、好調をキーブしています。海外向けも、北米での販売が堅調な伸びを見せており、今後の拡大が頼もしいメーカーと言えます。

3位のセイコーホールディングスは、『グランドセイコー(GS)』『アストロン』『プロスペックス』の3大ブランドをリリースしており、これらのブランドで収益を確保しています。2020年のオリンピックの年までは、アベノミクスなどの政策によって消費者の目が継続的に高級品に向くような傾向が見て取れるので、日本を代表する高級時計であるグランドセイコーなどの需要は今後も下がることなく、人気を博していくと考えられています。

 

引用元:業界動向SEARCH.COM

現状3:平均年収ランキング上位3位

1位:カシオ計算機(798万円)
2位:セイコーホールディングス(785万円)
3位:シチズンホールディングス(674万円)

上記ランキングから分かるように、時計業界の3強は比較的高い給料がどの会社ももらえるようです。シチズンホールディングスだけ700万円を切る水準の平均年収ですが、サラリーマンの平均年収が400万円ということを考えると、高い水準の給料をもらえる業界と言えます。また、上位2社に関しては800万円弱の平均年収がもらえるので、他の業界と比較しても平均年収は高い業界だということが分かります。

動向1:市場動向

腕時計というものは生活必需品ではなく嗜好品であることから、バブルの終焉を迎えてからは鳴かず飛ばずの状況が続いていました。

しかし、新興国が豊かになったことによる海外からのインバウンド需要が盛り上がったり、これまでマイナスの話題ばかりが多かった日本経済も、業界によっては景気の良い企業がたくさん出てきて収入が増えたことから、日本の時計メーカーの売れ行きが徐々に戻ってきました。特に2015年は売れ行きが戻るどころか、過去最高の利益を上げるまでになり、今後の動向が注目されている業界でもあります。

ただ、いつまでも時計業界にとって追い風が吹き続けることはないので、消費者や時代のニーズに合わせた商品開発が必要になってきています。これ以上の内需拡大は期待できず、インバウンド需要もこれ以上に盛り上がることはあまり考えられません。

消費者の趣味や価値観は世代を追うごとに変化しています。そのため、高級路線のラインナップばかりでなく、スポーツウォッチなどの新しい分野の強化したり、海外の市場をもっと開拓していかないと一時の盛り返しで終わってしまうことは明白でしょう。

 

引用元:業界動向SEARCH.COM

動向2:業界の課題

時計業界が抱える最大の課題は、経済の再燃による内需の盛り上がりと、近年の売上拡大に貢献しているインバウンド施策が今後も継続的に増加していくことの見通しが立たないことです。売上の拡大を支えている2大要因の見通しが不透明なため、新たな需要を掘り起こすべく、新規の商品開発や海外プロモーションに経営資源を傾注していく必要があります。

高級時計をたくさん排出しているスイスなどのヨーロッパ企業を含めた世界市場に目を向けると、市場規模は6〜8兆円にものぼると言われています。高級時計を代表するロレックスやフランク・ミュラー、パテック・フィリップなどのメーカーは非上場のため、売上規模が分からないため正確な規模の算出ができません。しかしながら、様々な研究機関の発表によると6兆円前後と言うのが大筋の数字のようです。

国内の3メーカーは、3社を合計しても1兆円にも満たない規模であり、まだまだ市場での存在感を示せていません。今後、時計業界が飛躍を狙うのであれば、海外市場におけるブランディングとシェア獲得が一番重要な課題になると言われています。

動向3:業界の今後の将来性

時計業界を取り巻く現状の環境は非常に良好です。日本経済の復調による内需、お金に余裕のある訪日観光者が買っていく確かな品質の日本メーカーの時計。多面的に見ても、時計業界の環境はまさに絶好調と言える状態にあります。

時計業界が抱えている海外への拡販も、しっかりとしたブランディングと、販売戦略を携えて実行していけば、日本のものづくりが誇る高品質・高機能・低価格が世界の人々に受け入れられて、世界シェアを伸ばしていくことはそれほど難しくはないでしょう。

そして、時計業界に新風を吹き込んだのが、スマートウォッチやスポーツウォッチなどの特定の機能に特化した時計です。AppleやGARMINなどこれまでは時計とは全く縁のなかったような企業が、昨今の消費者ニーズに敏感に反応して、新しい時計の形を提供しています。

こういった特定のニーズに対する商品が毎年増えてきていることで、時計業界には新たな市場が作られてきています。この動きは今後も加速すると見られているため、技術力のある日本のメーカーがどのように参入し、どのようなアプローチをしていくのかは目を見張るものがあります。

また、時計というのは腕時計だけではなく、クロック時計も新たな市場を開拓してきています。クロック時計も、腕時計と同様に消費者ニーズを上手く汲み取って、新商品を市場に投入したことで、販売が順調に上向きに推移しました。

クロックは基本的に、既に消費者に行き渡っている商品であるため、今後の爆発的な拡大は考えられませんが、クロック時計をインテリアとして捉える新しい価値観が生まれたことから、家具屋や雑貨屋などの小売でも販売されるように変わってきました。

素材やデザイン性にこだわったイン テリアの一部として、ただ単に「時間が分かればいいモノ」から「住居をデザインするインテリア」というモノに変わりました。このように時代のニーズに上手くキャッチアップし、消費者が求める商品を市場に投下することで、時計業界は今後も発展を続けていくことができると言われています。

おすすめの業界研究本

ここでは、就活生が時計業界を研究するときにオススメの本をご紹介します。

  • 腕時計のこだわり (SB新書)
  • 機械式時計大全: この1冊を読めば機械式時計の歴史や構造がわかる
  • 腕時計の教科書
  • スイス時計交流記―時計業界の不思議と思い出の時計を語る

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