【業界研究】中食業界の現状・動向・課題について

中食業界の現状

「中食(なかしょく、ちゅうしょくと読みます)」は、家庭で調理をするための食品を扱う「内食」と、飲食店で食事する「外食」以外の形態を指します。代表的なのは、持ち帰り弁当、宅配ピザ、テイクアウト専門店など。他にもベーカリーやコンビニエンスストア、スーパーなどの業態が参入しています。

人々の食へのニーズも多様化しており、多くの新業態が出てくる業界としても注目されています。また、中小企業が参入しやすいことも、多くの新業態創造の可能性に拍車をかけています。中食業界に参入するための条件は、食品衛生法に基づく食品営業許可を取得すること。

また、乳類販売業、食肉販売業、魚介類販売業をはじめとした販売業としての営業認可を取得することです。季節に合わせた商品の販売、地域ごとに代わるニーズへの対応など、小回りが求められるケースが多く、その点について強みを発揮する中小企業は少なくありません。中食業界は、属する全ての企業が大きな可能性を秘めている業界でもあるのです。

現状1:基本情報

市場規模は10兆6361億円。2004年は8.5兆円だったことを考慮すると、着実に規模が拡大している業界であることが言えます。高齢化社会の進展に伴って人口が減少することが明白である中で、1人あたりの中食の年間消費量は増加傾向に。2004年は66000円でしたが、2014年には87000円まで伸びています。当然、これからも年間消費量は増加し続ける見通しが立っています。

業界の分布は、惣菜専門店が2兆8640億を占め、第1位。次にコンビニエンスストアが2兆5780億円。食料品スーパーが2兆1600億円と続きます。上位9社が4477億円を占めており、その他はだんご状態。平均年齢は38.1歳で、平均勤続年数は9.3年です。平均年収は483万円。労働環境の整備を進める企業も増えてきているので、今後は平均勤続年数、平均年収が徐々に増えていく見込みがあります。

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位:株式会社プレナス

売上高は1458億2800万円。福岡県福岡市と東京都中央区に本社を置き、持ち帰り弁当の店舗として有名な「ほっともっと」、定食処として店舗数を伸ばしている「やよい軒」などを展開。店舗数は2990店舗を誇ります。フランチャイズ事業も積極的に展開しており、今後も店舗数の増加が見込まれています。特徴的なのは、店舗自体の売上も着実に伸びていること。「独立したい」という人が「ほっともっと」などを選択するケースが年々増えています。

第2位:カネ美食品

売上高は488億7700万円。愛知県名古屋市に本社を置き、惣菜や弁当の製造、スーパー内での販売などの事業を展開しています。工場は24時間、365日休むことなく稼働しており、きめこまやかな供給体制も多くのクライアントから支持を獲得しています。学生の皆さんの中には「カネ美食品は知らない」という方がいるとは思いますが、知らず知らずのうちにカネ美食品の惣菜を食べている、という方が多いかもしれません。

第3位:株式会社ハークスレイ

売上高は486億1700万円。大阪府大阪市に本社を置き、持ち帰り弁当チェーン「ほっかほっか亭」を統括しています。魅力はなんといってもリーズナブルな値段。そして、様々なニーズに応えられる商品の点数。「値段以上のクオリティが嬉しい」と話す消費者も多数。これからも地域密着型の事業を貫くために、フランチャイズの管理を通じて拡大し続ける戦略を展開していきます。

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位:吉野家ホールディングス

牛丼の「吉野家」、持ち帰り寿司「京樽」などを展開しており、地域密着型の事業を展開。老若男女を問わず多くのファンが集まる店舗経営が大きな特徴。吉野家は海外にも店舗を展開しており、中食業界を代表するグローバル企業です。

第2位:株式会社プレナス

平均年収は533万円。「ほっともっと」「やよい軒」などの店舗数が安定的に増えており、それに伴い平均年収の上下が少ないことが大きな特徴として挙げられます。

第3位:オリジン東秀株式会社

平均年収は515万円。都市圏に惣菜店「オリジン弁当」を展開しており、仕事帰りのサラリーマンなどがよく利用しています。豊富な品揃えが好評で売上も安定しており、平均年収もここ数年は横ばいです。イオンが主要株主であることでも知られており、盤石な経営基盤を確立しています。

業界の動向

業界の動向として一番特徴的なのは、継続的な伸長傾向になることです。外食産業の市場規模は減少傾向にありますが、それに反して市場規模は着実に拡大。変化し続けるニーズに対して柔軟に対応している業界であると言えます。

また、今後は高齢化社会が進むことに伴い、今までにはないニーズが生まれてくることも考えられます。たとえば、高齢者向けの給食事業を始める企業が増えているのも、そんな動向を象徴する事例のひとつ。大きな変化がいつ生まれてもおかしくない状態です。

動向1:市場動向

まず、大きな動きとして挙げられるのは、消費者が外食から中食に切り替えつつある、ということです。長期のデフレ、不景気の影響を受けて「飲食代を減らしたい」という気持ちが多くの消費者の中で芽生え、外食を少なくする風潮が出てきました。

その代わりにテイクアウトの惣菜を買ったり、弁当を購入して家で食べたりする消費者が増加。そんな背景が、中食の需要増加を生み、市場の拡大につながっています。

次に、女性の社会進出も動向を左右する大きな要因となっています。働く女性が増え続けている昨今。「ワークライフバランスを」と世の中で叫ばれますが、実際は、仕事と家事を両立するのは簡単なことではありません。働くことに重きを置いた分、削られる時間と体力を家事の軽減でカバーする女性が増えており、中食産業にも需要の増加という波をもたらしています。

もうひとつ忘れていけないのが、高齢化社会の進展です。単身、または夫婦二人で居住する高齢者世帯が増加しており、食卓にもスーパーの惣菜が並ぶ機会が増えてきています。コンビニエンスストアでも惣菜を購入する高齢者の数は年々増加しており、高齢化社会のさらなる進展がニーズ拡大をもたらすことが予想されます。

動向2:業界の課題

様々なニーズが生まれてくる業界ではありますが、新業態全てが継続的に拡大するかは話が別。一過性の新ビジネスも少なくないことが予想されます。たとえば、社会がデフレから脱却して、経済の状況が好転した時。そうなれば、リーズナブルな価格帯の事業だけでなく、高価格帯の惣菜や弁当の売上が伸びてくるでしょう。

しかし、再度デフレに陥ったとしたら、改めて程価格帯の惣菜・弁当へのニーズがグンと上がり、高価格帯の商品が求められなくなるケースが増えてきます。「この事業を展開していれば未来永劫大丈夫」というものはなく、常に変化を求められる業界だけに、淘汰される企業も増えてくるかもしれません。

また、販売チャネルも常に変化し続けています。これまでは路面店やデパ地下などが主流でしたが、今ではインターネットや通信販売などの販売形式を求める消費者も増えています。もちろん現状が最終形である、というわけではありません。

インターネットに代わる新しいツールが出てきたら、消費者はそれを利用することを求めるでしょう。「消費者は、どのような形で購入を求めているのか」という点をしっかり調べ、把握しておくことも、企業の存続と成長について大きなポイントになります。

加えて、職場環境の改善も、業界として解決するべきテーマかもしれません。「平均勤続年数はこれからも増加する」と前述させていただきましたが、待遇・福利厚生、勤務時間、休日・休暇などについては、さらに改善できる可能性がおおいにあります。どの業界にも共通することではありますが、ワークライフバランスの追求は、中食業界にとっても命題であると言えます。

動向3:業界の今後の将来性

ニーズがさらに多様化すること、外食や内食よりも中食を求める消費者が増えることが予想されるだけに、市場の規模は拡大することが予想されます。ただ、それが企業の存続と成長に必ずつながるかというと、少し違う話になってきます。

たとえば予想されるのは、M&Aの増加。レストランや小売など、中食業界の外側にある業界から参入して、中食業界内の企業を買収する。そんなケースが増えつつあります。前述したとおり、中食業界は消費者のニーズが変化しやすい業界であり、これからの市場に対応するために合併を選択する。

そんな企業が増えてくることが予想されており、学生の皆さんも業界研究をしっかりすることが求められます。ただ、ひとつのアイデアや業態が大きなビジネスチャンスを生む業界でもあるので、業界研究をすればするほど多くの可能性を発見できるはず。「業界を変える大きな仕事をしたい」という学生には、うってつけの業界かもしれません。

おすすめの業界研究本

日本実業出版社から出ている、高橋麻美さん著の「よくわかる中食業界」は、業界の構造、ヒエラルキーなどが分かりやすく書かれています。中食業界を研究する意味だけでなく、ひとつの読み物としてもおもしろいので、ぜひ読んでみることをおすすめします。

また、「ブランド化戦略」という視点で中食業界を分析した、小林憲一郎さん著の「中食市場のブランド化戦略-限定品マーケティングのすすめ」も、業界研究には大いに役立ちます。「拡大し続ける中食業界で、これから重要になるのはブランド化だ」という考えを打ち出し、コンサルタントとして活動してきた経験とノウハウに基づいた分析理論は非常に参考になります。

予備知識を持った上で企業選びをすると、今までとは違った選択ができるはず。また、会社説明会や先輩社員との会話で得られた情報をより多角的に分析できるようになると思います。「自分に合う中食業界の企業は?」という問いの答えが自然に出てくるかもしれません。

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