【業界研究】電子部品業界の現状・動向・課題について

電子部品業界の現状

電子部品が搭載される製品の代表格は、スマートフォンやテレビ、パソコンなど。一般的に想像されるものとしてICチップなどが挙げられます。スマートフォンのモデルチェンジは年々コンスタントなものになり、今では季節ごとに実施されています。それに伴い、当然、搭載される電子部品の種類も変わるので、継続的な需要が見込まれています。

しかし、コストダウンなども進んでおり、収益性の面では決してあぐらをかいていられるわけではりません。パソコンも同様です。年間でいくつものモデルが発売されていますが、汎用品なども増えており、収益性などの面で変化が見られるようになってきました。

そんな中、電子部品業界の中で新しい市場として注目されているのが自動車業界です。自動運転、ハイブリッド、ガソリンから電気に完全シフトした電気自動車など、電子部品が活躍する分野が増えてきており、電子部品業界にとっても追い風が吹きつつあります。

また、収益性を見ても、自動車向けの電子部品はスマホやパソコン向けの電子部品と比較して、高い利益率を見込むことが可能です。しかも、自動車メーカーに追随していけば、自然と海外市場を開拓することが可能。電子部品業界にとっても重要な課題である海外進出もしやすい状況になりつつあります。

現状1:基本情報

電子部品業界を構成する主要企業のデータを集め、市場の規模などを分析してみました。その結果が下記データになります。

  • 市場規模:9兆6932憶円
  • 労働者数:85763人
  • 平均年齢:39.7歳
  • 平均勤続年数:15.7年
  • 平均年収:634万円

特筆すべきは、市場規模の大きさと働く人々の数になります。社会を構成する多くの業界と比較して、電子部品業界の規模は比較的大きなものであると言えます。それはすなわち、働く人々が多い、ということ。地域によっては人々に労働をもたらす業界として、電子部品業界に大きな期待を抱く国なども少なくありません。

ただ、そのためには職場環境の整備などが必須になるでしょう。一時期、中国の工場でアップル社製品の製造に関する環境の現状が報道されたことがありました。腰を据えて働く人を継続的に確保する意味でも、電子部品業界は労働環境のさらなる改善が必要とされるでしょう。

ただ、平均年収は高めです。2015年における労働者の平均年収は440万円というデータがあるのですが、それと比較した時、平均年収634万円は高い数字。業界研究をする上で、年収と労働環境の調査は重要なテーマになるかもしれません。

現状2:業界シェアランキング上位3位

第1位:京セラ

売上高は1兆4473億円。個人向け製品、法人向け製品ともに高い知名度と技術力を誇ります。電子部品としては、積層セラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ、導電性高分子コンデンサ、酸化ニオプコンデンサ、電気二重層コンデンサなど、コンデンサひとつをとっても多岐にわたる製品を開発しています。

他にもバリスタ、セラミックレゾネータ、SAWデバイスなど様々な製品を開発。どんな業界のどのような要望にも対応する柔軟性と電子部品業界内でも最高峰と言える技術力が大きな強みです。業界研究をする際には、ぜひ、京セラをしっかり調べておきましょう。

  • 資本金:326億円(2015年3月期)
  • 設立:1959年(昭和34年)4月
  • 資本金:1,157億300万円(2015年3月)
  • 海外拠点:アメリカ、ドイツ、中国、香港、シンガポール、ブラジル、メキシコ、オーストラリアなど、世界30ヶ国以上226社(2015年3月)
  • 株式公開:東証1部、大証1部、NY証券

第2位:TDK

売上高は9845億円。TDKと言うと、団塊の世代はカセットやミニディスクを想像する人が多いと思います。記録媒体のメーカーでもありますが、実は、コンデンサ、インダクタ、EMC対策製品、高周波製品、センサシステム、セラミックスイッチ、トランスなど多岐にわたる電子部品を開発・製造しているメーカーなのです。

モノづくりの現場や完成品など、様々なフィールドで使われており、多くのメーカーがTDKのさらなる成長に期待を寄せています。電子部品業界の業界研究をする上でも、TDKの研究は欠かせないものだと言えます。

  • 設立:1935年12月7日
  • 海外拠点:主な海外生産拠点/韓国、中国、台湾、タイ、フィリピン、マレーシア、ドイツ、アメリカ
  • 主な海外営業拠点/韓国、中国、台湾、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、アメリカ、ブラジル、ドイツ、スウェーデン、イギリス、フランス、イタリア、フィンランド、ハンガリー
  • 主な海外研究開発拠点/アメリカ(2015年3月時点)
  • 資本金:326億円(2015年3月期)

第3位:日本電産

売上高は8751億円。世界ナンバーワンシェアを誇るモーターメーカーとして知られています。精密小型モータ、一般モータ、車載用モータ、家電・産業用モータなど、多岐にわたる分野で使われるモータを開発しています。独自の開発力と技術力は、多くの業界の産業を支えるために必要不可欠なものです。

今後も業績拡大が期待される、電子部品業界内でも勢いのある企業だけに、業界研究の価値はおおいにあります。下記に概要を記載しますが、大企業であることをは間違いありません。

  • 設立:1973年 7月23日
  • 海外拠点:アメリカ、メキシコ、カナダ、ブラジル、コロンビア、ベネズエラ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、ハンガリー、ポーランド、中国、タイ、ベトナム、シンガポール、フィリピン、インドネシア、韓国、台湾、マレーシア、インドなど
  • 資本金:770億7,129万6,709円(2015年3月末時点)
  • 株式:東証1部・ニューヨーク証券取引所上場

現状3:平均年収ランキング上位3位

第1位: キーエンス

平均年収は1440万円。44ヵ国・200拠点の販売ネットワークを持っており、過去5年間における海外事業の平均成長率は約30%を記録しています。FA用の各種センサ、測定器、画像処理機器といった幅広い電子部品の開発、設計を事業の中心としており、独自の給与制度が高い平均年収に結びついています。

第2位:オムロン

平均年収は757万円。制御機器やFAシステムの開発・製造、家電製品などに組み込まれる電子部品などの開発・製造と、様々な事業を展開しているオムロン。事業内容の幅広さが安定的な売上の創出につながっており、高い平均年収を記録しています。

第3位:TDK

平均年収は750万円。魅力ある待遇・福利厚生を創造することにも力を入れており、完全週休2日制、年間休日125日、年次有給休暇、半日有給休暇制度、慶弔・特別休暇などがあります。年末年始、ゴールデンウィーク、夏季にも大型連休があり、ワークライフバランスを取りながらの勤務が可能です。

業界の動向

電子部品業界は、過去には大きな上昇カーブと下降線をたどってきました。東日本大震災の時はサプライチェーンに混乱が起き、大きなショックを業界にもたらすことに。

しかし、近年は市場が落ち着いた状態になっております。自動車業界という新たな市場を開拓できたこと、モノづくりのシーンにおいても、自動化などのニーズが増えていること、日々の生活におけるデジタル化のさらなる進出などが要因として挙げられます。

しばらくは市場の大きな上下変動はないという見方もありますが、ただ、社会と消費者の動向を大きく受けやすい業界だけに、就職先を選ぶ時には、入念に業界研究をすることが大切になります。

動向1:市場動向

たとえば、スマートフォン関連の部品。需要はさらに増える見通しが立っています。しかし、だからと言って電子部品業界に属する全ての企業が安泰というわけではありません。近年のサムスンがそれを実証しています。電子部品の中でも、どのようなニーズに応えられるか。

企業自体にどこまでの開発力と供給体制があるのか。スマートフォンの在り方は年々、大きな変化を遂げるだけに、勝ち組・負け組がはっきりしてくる可能性があります。これからはM&Aなどを通じて、業種の垣根を越えた連携が起こる可能性がおおいにあります。

動向2:業界の課題

現在、日本が世界市場において35〜40%のシェアを獲得している電子部品業界。その理由として挙げられるのは、スマートフォンや自動車に搭載する電子部品の単価が高いからです。特別と言えるシェアを獲得している、というのが前述した数字に結びついているのですが、技術力を見ると、韓国や中国、台湾勢の台頭が目立ってきています。当然、単価は海外のほうが安い。

だが、製品のクオリティはほぼ同じ。そんな状態になると、日本の電子部品業界は大きな衝撃を受けることが予想されます。

動向3:業界の今後の将来性

日本の電子部品業界が進むべき道は、世界を意識しつつ、競合他社では追随できない技術力を身につけ、他社ではつくれない製品を開発することにあります。スマートフォンやパソコンについてはそれが難しい段階にあるかもしれませんが、自動車業界では唯一無二のモノづくりを実現できる可能性がおおいにあります。

現状に甘えることなく、挑戦し続けることが必要なのは電子部品業界も同じ。チャレンジする風土があるかどうか、という観点で業界研究をすることも有効です。

おすすめの業界研究本

村田朋博さん著の「電子部品だけがなぜ強い」「電子部品 営業利益率20%のビジネスモデル」は読んでみる価値ありです。電子部品業界の構造、電子部品自体の特徴などが分かりやすく書かれており、業界研究のツールとして最適です。

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