【業界研究】ビール業界の現状・動向・課題について

ビール業界の現状

ひとことに「ビール」と言っても、様々なものがあります。ご存知の方も多いと思いますが、まずはビール。そして発泡酒。第3のビール。ノンアルコールビール。これらの製造・販売を事業にしている会社が形成しているのがビール業界です。

ビールの種類は様々ですが、ビール業界を形成する会社は大きく分けて4社。アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス、サントリーホールディングス、サッポロホールディングスの4社で、国内出荷シェアは99%を占めています。では、近年、どのような傾向にあるのでしょうか。業界研究をすると、様々な一面が見えてきます。まずはそれを紹介していきます。

国内のビール業界については、大きな傾向としては、消費者の節約傾向が挙げられます。飲食店でビールを飲み、いわゆる「飲みニケーション」を楽しむ、というよりは、安い値段の缶ビールを購入して家で楽しむ。

または、ビール自体から離れ、チューハイなどを飲む。そんな消費者が増えてきています。「このままではビール業界の市場拡大は見込めない」というのが各社の見解で、ノンアルコールビールやカロリーオフ、糖質ゼロなど、消費者のニーズを細分化した商品の開発に注力しています。

では、どんな仕事があるのか?これも業界研究の大きなポイントになりますが、大きく分けて言うと営業、マーケティング、商品開発、生産管理など。様々な職種がビール業界を形成していることがわかります。

現状1:基本情報

アサヒグループホールディングスの「アサヒスーパードライ」、キリンホールディングスの「一番搾り」、サントリーホールディングスの「ザ・プレミアムモルツ」、サッポロホールディングスの「ヱビス」…ビール業界を形成する各社は、代表となるブランドを保持しています。

味も様々で「私は絶対にアサヒスーパードライ!」という方が少なくないように、大きな特徴があります。特徴といえば、それだけではありません。売上構成比についても、各社傾向があります。

まず、サントリーホールディングス。新ジャンルの売上が60%以上を占めており、残りはビール。発泡酒はほとんどありません。キリンホールディングスは、新ジャンル、ビール、発泡酒がだいたい30%〜40%ずつ。

アサヒホールディングスは60%以上がビールで、新ジャンルが20%前後、残りが発泡酒、という割合になります。サッポロホールディングスは、ビールが売上の半分を占め、新ジャンルが40%弱。残りが発泡酒、という割合になります。

過去5年の伸び率はほぼ平行線をたどっており、各社ともに、次の打ち手を探している最中です。働く人々の平均年齢は42歳。平均勤続年数は15年前後。一度働き始めると、腰を据えて働く人が多いことも特徴のひとつです。長く働く理由として多いのが安定的に魅力的な収入を得られるから。平均年収は913万円と、平均水準より高いものがあります。

現状2:業界シェアランキング上位3位

グループ類での売上を見ると、
サントリーホールディングスが2兆6867億円、営業利益は1851億円で第一位。
続くのがキリンホールディングスで、2兆1969億円、営業利益は1248億円。
第3位がアサヒグループホールディングスで1兆8574億円、営業利益は1351億円になります。

しかし、ビール、発泡酒、新ジャンルというビール業界のくくりで比較すると、順位は変化してきます。

第1位:アサヒグループホールディングス

「スーパードライ」のブランドが老若男女を問わず人気を獲得しており、堂々の一位。「スーパードライ以外は飲まない!」という方や、ビールの初心者にとって嬉しいクセのない味わいが好評です。長年にわたり、安定的なシェアを獲得しています。

第2位:サントリーホールディングス

「ザ・プレミアム・モルツ」が有名です。消費者の節約志向が高まる中で「自宅で贅沢さを感じられるのが嬉しい」という声が多く、ミドル層を中心にファンを獲得。
高級感を追求した広報戦略も功を奏し、多くの消費者から愛され続けた結果が業界第2位につながっています。

第3位:サッポロホールディングス

「ヱビス」で有名なサッポロ。「男は黙ってサッポロビール」というキャッチコピーがミドル層の心をつかみ、長くサッポロビールを飲む消費者がたくさんいます。根強い人気が安定的な売上につながり、ニーズの変遷が激しいビール業界においても安定的な売上を残しています。

現状3:平均年収ランキング上位3位

ビール業界のシェアランキングとは異なる結果になりました。その要因としては、各ホールディングスがビール以外の商品を発信していることが大きな理由になります。ぜひ、業界研究の参考にしていただけると幸いです。

第1位:キリンホールディングス

平均年収は1046万円。「キリンラガービール」「キリン一番搾り」「午後の紅茶」「生茶」など、ビール業界に限らず、清涼飲料水の面でも消費者に愛されている商品を多々発信しており、安定的な売上を残し続けています。

第2位:サントリーホールディングス

平均年収は1032万円。ビールを柱にしつつ、「サントリー烏龍茶」「ボス」「伊右衛門」など、多種多様な商品を展開しています。

第3位:アサヒグループホールディングス

平均年収は1008万円。「スーパードライ」の売上が毎年好調。第3のビール開発にも積極的で、新しい売上の柱を構築しつつあります。子会社にアサヒ飲料などを持っており、幅広い商品を市場に送り出す体制を確立。多くのファンを獲得しています。

業界の動向

国内ビール市場におけるメーカー別のシェアは、アサヒグループホールディングスが独走しています。しかし、業界研究をしてみると、ひとつ興味のあるデータが。アサヒグループホールディングスは海外の売上シェアが1割強。サントリーホールディングスやキリンホールディングスの海外売上が3割であることを考えると、他社よりも海外進出が遅れている傾向があります。

アサヒグループホールディングスもそんな現状に危機感を抱いており、イギリスの大手ビールメーカーであるSABミラー傘下の欧州ビール事業の4社と買収の契約を締結しました。買収額は25億5000万ユーロと巨額。それほど、アサヒグループホールディングスは海外進出が命題であると考えているのです。

ビール業界は国内市場が飽和しているので、これからの拡大におけるキーポイントは「海外進出」各メーカーは海外進出についてどう考えているのか。どのような事業を展開しているのか。そんな観点で業界研究をすることも大切かもしれません。

動向1:市場動向

海外進出の手段として主流になり得るのは、アサヒグループホールディングスの戦略を見てもわかるとおり、M&Aです。しかし、どの企業もM&Aが成功しているかといえば、話は別。

2015年の話になりますが、その明暗が分かれたのがサントリーホールディングスとキリンホールディングスです。前者はM&Aを通じて過去最高の売上高を記録しましたが、キリンホールディングスは赤字になりました。では、2社はどのようなM&Aを実施して、ビール業界での勢力図に影響を与えたのでしょうか。

サントリーホールディングスは2014年に1兆6000億円を投入してアメリカの蒸留酒大手メーカーとして知られているビーム社を買収。ウイスキーをはじめとした蒸留酒事業で世界第3位になりました。この戦略が数字にもあらわれ、2015年の売上高は前期比9.4%アップ。純利益は17.9%を記録。急激な成長を実現しました。

一方、キリンホールディングスは2011年に3000億円を投入してブラジルで第2位のシェアを誇るビール会社・スキンカリオール社を買収しました。ブラジルキリンとしてスタートを切ったのですが、競合他社との価格競争に敗れ、業績が悪化。2015年12が月の売上高はほぼ横ばい。純損益は473億円の赤字になりました。

動向2:業界の課題

ビール業界の課題として挙げられるのは、いかに海外シェアを獲得するか。その背景にあるのは、前述したようなビール離れです。ビール業界のピークは1994年。しかし、2014年には市場規模が3/4になり、約540万キロリットルになっています。このデータは「ビール離れ」が確実に進んでいることの証明であり、各社ともに、新市場の開拓と新商品の開発を進めています。

もうひとつキーポイントになるのが、酒税法の改正です。ビールの税率を引き下げつつ、発泡酒や新ジャンルにかかる税率を引き上げ、将来的にはビールの種類を問わず税率が均等になることが検討されています。ビールの種類によって価格の差が埋まれば、リーズナブルさなどの魅力がなくなり、苦戦を強いられるビールメーカーが増え、ビール業界にも勢力図の変化が出てくるかもしれません。

動向3:業界の今後の将来性

ビール業界の将来性を占う意味では、やはり、新市場の開拓と新たなニーズの発見になるでしょう。前者については、M&Aが主流になっていくと思われますが「やればいい」という問題ではありません。どのような戦略を取るか。どの国のどんな市場を開拓するのか。明確に戦略を打ち出し、展開していくことが求められます。

後者についても、各社ともにマーケティングの強化、発想の転換などがキーポイントになってくるでしょう。今までにないアイデアで新しいビールの常識をつくることが、ビール業界自体が存続かつ成長し続けるためには必要不可欠。ビール業界の将来性は、業界研究のテーマとして必須の事項になることは確実です。

おすすめの業界研究本

三浦悦子さん著の「わかりやすいビール業界」という本をお勧めします。ビール業界のヒエラルキー、各社の戦略、問題点などがわかりやすく書かれており、業界研究をする時には欠かせない1冊であると言えます。

「おすすめの業界研究本」というテーマからは外れますが、業界研究で大切なのは、できる限り会社説明会に参加すること。そして、先輩社員と可能な限り話すことです。企業の担当者にとっては「返答に困る」という質問でも、積極的に投げかけてみるといいかもしれません。

業界研究をすれば、就活の戦い方がわかる

いかがでしたでしょうか。

この記事だけでも、業界の展望や各企業の力関係など、様々な発見があったかと思います。業界研究をせずに企業だけを調べても、業界全体の流れがわからず、狭い視野での企業研究になってしまいます。

自分の志望する業界は、かなりの時間を割いてでも研究するべきでしょう。

しかし、会社説明会・Webテスト・ESなど、就活生は時間がないことでよく知られています。就活サイトにいくつも登録し、別々のアプリで管理している方がほとんどでしょう。別々の就活サイトで説明会が被ってしまったり、説明会の予定を忘れてしまったり、という悩みもよく耳にします。

そんな、「時間がなく、スケジュール管理に苦労している」就活生におすすめしたいのがイッカツというサービス。

イッカツ」に登録するだけで、数ある就活サイトに自動でユーザー登録をでき、さらに、大量に送られてくるメールも一括管理することができます。大事な企業からの連絡を見落とすなんていう悲惨な自体を招かずに済み、業界研究・ES・Webテストの勉強にも時間を使えるようになります。

ぜひあなたも「イッカツ」で、就活を賢く、効率よく、進めましょう。