【業界研究】通信業界の現状・動向・課題について

通信業界の現状

日本における通信業界と言うと、携帯の電波を提供している通信キャリア(通信業)と、テレビ番組を提供するテレビ業界(放送業)に大きくは2分されます。

通信キャリアには、
・NTTドコモ
・ソフトバンク
・KDDI
の通信3キャリアがあります。

テレビ業界には、
・フジ・メディア・ホールディングス
・TBSホールディングス
・日本テレビ放送網
・テレビ朝日
・スカパーJSATホールディングス
などがあります。

就活生の中には、通信業界は世間にも知られた大きな会社ばかりで、働けるなら働いてみたいという学生が多いかと思いますが、通信というものが何なのかを知っている学生は少ないのではないでしょうか。

ここで通信というものが何かを簡単に触れると、離れたパソコンや電子機器との間で様々なデータをやりとりするとことです。

通信キャリアが主に行っているのは、携帯とパソコン、携帯同士、その他の電子機器とパソコンなどなど、端末間のデータの送受信をするインフラの事業を担っています。

一方のテレビ業界は、テレビ局(正確にはテレビの電波塔)と家庭や公共の場などに置かれているテレビの間でデータをやり取りし、テレビという家電を通してお笑い番組や音楽番組、ニュース番組などが視聴できるようにしています。

通信業界はその莫大な売上規模から、日本のGDP成長率にまで影響を及ぼす、日本の産業の中でも中核を担う業界です。通信業界は通信業の切り口で見ると、今後も需要と成長の見込まれる期待が持てる業界です。特に世間で騒がれているAIやロボット、IT化のインフラを担っているのが、まさに通信業だからです。

放送業の切り口で見ると、広告を出すスポンサーがテレビ広告よりもインターネット広告に費用を掛けるようになってきていることから、メインの事業収益である広告収入が年々減少してきています。

しかし、平成23年の地上デジタル放送が開始して以来、放送と通信の融合が行われ、まだまだ模索中の段階ではありますが、新しい収益源となる新規ビジネスが今後生まれてくると期待されています。

よって、通信業界全体で見ると今後の見通しは悪くなく、実際に業界規模が毎年微増している業界となっています。

基本情報

こちらの基本情報、また業界シェアランキングに掲げている数字は、から引用しております。

通信業界の市場規模は29兆0,152億円となっています。日本のGDPが2016年時点で504兆9917億円ということから計算すると、約17%超ものシェアを通信業界がひとつで占めていることになります。

これは日本の経済にかなりインパクトを与えることになるので、日本の産業において非常に重要な業界となっています。この通信業界の発展、もしくは衰退が日本経済に直接影響を与えることになるので、注目度の高い業界と言えます。

通信業界の労働者数は34,589人で、多くの人が通信業界に従事しています。この業界における平均年齢は42.4歳で、通信業だけで見ると若い人材が多いですが、放送業は熟練プレーヤーが多くいるため、このような数値となっています。平均勤続年数は15.9年になります。

就活生が最も気になると言っても過言ではない平均年収ですが、通信業界はイメージされている通り高く、966万円となっています。他の業界と比較しても極めて高水準な給与体系となっています。

通信業界の仕事内容は、通信業では携帯電話、固定電話、固定回線(光ブロードバンド、ADSLなどのインターネット)、クラウド関連の商材などを通信のインフラをもとにお客様に提供することが主な仕事になります。

放送業においては、視聴率の取れる番組を制作して、放送電波を通して視聴者にお届けすることがメインの仕事になります。

引用元:業界動向SEARCH.COM

業界シェアランキング上位3位

通信業界のシェアランキングは以下の通りとなっています。

1位:NTT(売上高:10兆9,251億円 売上高シェア:37.7%)
2位:ソフトバンク(売上高:6兆7,121億円 売上高シェア:23.1%)
3位:NTTドコモ(売上高:4兆4,612億円 売上高シェア:15.4%)

NTT

1位のNTTは固定電話や光ブロードバンドなどを提供しています。その他、インターネットや通信ネットワーク、システム構築などを法人向けに提供しています。

NTTは元々三公社と呼ばれる国営企業の一社です。(残りの二社は日本国有鉄道(現JR)と専売公社(現JT)になります。

当時のNTTは日本電信電話会社という企業名で、国によって運営と管理がされていました。通信というのはそもそも公共性の高いインフラであるため、法改正によって民営化されるまでは国の管理の元に運営がされていたのでした。

そのため、通信キャリアと呼ばれるソフトバンクなどの通信業者は、NTTから電波などの通信インフラを借りて、通信の提供をしています。

つまり、ソフトバンクやその他のキャリアが通信を母体としたインフラ商材を売れば売るほど、NTTも自動的に収益の上がる仕組みになっているため、批判の対象になる一方で盤石な経営資源を持っていると言えます。

ソフトバンク

2位のソフトバンクは言わずもがな、孫正義という創業者がわずか一代で築き上げた会社になります。ソフトバンクはその会社名の通り、ソフトウェアの卸売から始まった会社で、まだ創業して35年しか経たない企業です。

携帯電話ショップやお父さんと称して犬を家族の大黒柱として設定したユニークなCMで有名ですが、携帯電話は数ある事業の柱のひとつになります。家庭や会社に置かれている固定電話や、パソコンで利用するインターネットなども事業の柱として提供しています。

また、ソフトバンクの特色として上げられるのがM&Aです。米国の携帯電話会社であるSprintや、2016年はイギリスの最大の企業で、マイクロチップの設計図を提供しているARMを買収しています。

ARMを買収した金額は3.3兆円という莫大な金額で、日本企業の歴史において最大規模の買収金額として注目を集めました。

孫正義の後継者問題はソフトバンクの最大の課題としてあげられていますが、その筆頭候補としてGoogleのナンバー2の人物であるニケシュ・アローラを招きました。

しかし、孫正義はまだまだ現役で会社を引っ張っていくという意志を表明し、企業の先頭に立って指揮を執っていくことが決定したため、今後も通信業のコングロマリットとして成長が期待されている企業となっています。

NTTドコモ

3位のNTTドコモは、NTTグループの中で携帯電話事業を主軸にしている会社になります。携帯電話市場におけるNTTドコモの存在感はやはり大きく、他の通信キャリアと比較してもシェア率を大きく獲得しているビッグプレイヤーになります。

通信の質やサービス体制などは、非常に高いレベルのものを提供しているため、ユーザーの満足度も高い評価を得ている企業になります。

4位以下のランキング

いかに通信業界において、通信業の売上比率とシェアが高いかが分かると思います。放送業の売上が決して低いわけではなく、通信業各社の売上が突出して高くなっています。

4位:KDDI(売上高:4兆3,336億円 シェア:14.9%)
5位:フジ・メディア・ホールディングス(売上高:6,421億円 シェア:2.2%)
6位:TBSホールディングス(売上高:3,543億円 シェア:1.2%)
7位:日本テレビ放送網(売上高:3,417億円 シェア:1.2%)
8位:テレビ朝日(売上高:2,679億円 シェア:0.9%)
9位:スカパーJSATホールディングス(売上高:1,716億円 シェア:0.6%)
10位:テレビ東京ホールディングス(売上高:1,206億円 シェア:0.4%)

平均年収ランキング上位3位

通信業界の平均年収ランキングは以下のようになっております。

1位 朝日放送(1,498万円)
2位 東京放送ホールディングス(1,490万円)
3位 フジ・メディア・ホールディングス(1,430万円)

放送業は売上規模で比較すると、通信業の規模には全く対抗できませんが、平均年収で見ると非常に高い水準の給料をもらえることが分かります。売上規模に対する社員の給与の高さは、他の業界を見渡しても異常な高さを誇っています。

放送業は広告収入が減っていることで不況が叫ばれていますが、利益の源泉が減ってきているにも関わらず社員に対しては高給を維持しているというギャップが生じており、それが今後も続いていくかは疑問が多く残ります。

引用元:Ullet

市場動向

通信業の消費者向けサービスはこれまで、固定電話からはじまりブロードバンド、そして携帯電話というようにメインの収益源を時代のニーズに合わせて変えてきました。

近年の最大の収益源である携帯電話は、スマホの所有者が頭打ちとなり、これまで享受してきた急激な伸びに対する利益が見込めなくなってきました。

しかし、携帯電話の料金が毎月1万円は高い、という消費者の声とニーズに後押しされて、近頃は格安携帯を提供する事業者が増加してきました。楽天モバイル、LINE Mobile、DMMモバイル、イオンモバイルなどなど、これまで携帯電話とは無縁だった企業が次々と携帯電話市場に参入してきています。

これらの新規参入業者は、かなりの勢いでユーザー数を伸ばしてきており、今後もその勢いは強まる傾向にあります。通信業の法人向けサービスも消費者動向と同じ傾向が見られ、固定電話、ブロードバンド、携帯電話の供給は一服した感があり、今後の急激な需要は見込めない状況にあります。

しかし、IoT化やAIなどの時代のニーズが広がってきていることに起因して、通信の需要は形を変えて新たな需要が生まれてきています。

放送業はその事業の成り立ちが企業のスポンサード事業になるため、日本の経済が盛り上がらない限り、メイン収益である広告収入を増やす見込みが立ちません。

バブルの時代は余剰資金をプロモーション費用と称してテレビCMに投下して、消費者に対する企業イメージ作りをしていましたが、長引く不況の影響で放送業は広告収入が減り、新たな収益源を模索しなければいけない状況に陥っています。

従来のテレビCMに予算を割いていたスポンサー企業は、インターネットの台頭によって、テレビCMのマスに向けたプロモーションよりも、インターネットを利用したリーチさせたい層に的確にプロモーションができるインターネット広告に費用を割くように変化してきました。

その影響によって、直近ではインターネット広告に費用を掛ける企業の方が多くなり、益々テレビCMによる広告収入が減ってきています。

しかし、地上デジタル放送を開始したことから、重い腰をあげてインターネットとの融合を進めているため、新たな収益源を獲得するべくビジネスモデルを構築することができれば、テレビのマスへのリーチ力や影響力は今でも高いため、放送業を盛り上げていく可能性は十分にあると言えます。

業界の課題

通信業の課題は、携帯電話のニーズが頭打ちとなり、新規ユーザーの獲得が難しい状況にあることです。

通信3キャリアの新規ユーザー獲得状況を見ても、新規ユーザーというものが純粋に携帯電話を持ち始める人ではなく、他社からの乗り換えユーザーであることから、どのキャリアも一服感を否めない状況となっています。

携帯電話だけでなく事業の柱となる固定電話も、新規ユーザーの獲得には苦労をしています。携帯電話が普及したことから固定電話を設置する人が減り、新規ユーザーを獲得するどころか、解約希望者が年々増加しています。

放送業の広告収入の減少は深刻な課題で、新たな収益源を獲得するためのビジネスモデルの構築を急ぐことが急務となっています。

業界の今後の将来性

通信業界の今後の将来性は、抱えている課題からは明るく見えないですが、日進月歩で生まれる最新のテクノロジーが新たな需要を掘り起こしていくため、今後も微増ながら発展していくと考えられています。

通信業は他の様々な業界と親和性が高く、むしろIT化に乗り遅れたり、避けたりすると、会社の発展の妨げにもなる時代なので、需要が逼迫することの考えにくい業界といます。

通信業界は世界の優秀な人材がこぞって参入してくる業界なので、今後も新しいサービスや価値観を提供し、経済自体を引っ張っていく注目度の高い業界でいることは間違いないと言われています。

おすすめの業界研究本

  • 図解入門業界研究最新通信業界の動向とカラクリがよくわかる本[第3版]
  • 通信業界の裏側が分かる2017
  • 世界一わかりやすい通信業界のしくみとながれ
  • 図解 通信技術のすべて

業界研究をすれば、就活の戦い方がわかる

いかがでしたでしょうか。

この記事だけでも、業界の展望や各企業の力関係など、様々な発見があったかと思います。業界研究をせずに企業だけを調べても、業界全体の流れがわからず、狭い視野での企業研究になってしまいます。

自分の志望する業界は、かなりの時間を割いてでも研究するべきでしょう。

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