【業界研究】テレビ業界の現状・動向・課題について

業界の現状

テレビ業界とは、その名の通り、テレビ番組を制作して放送を行う業界です。
公共放送のNHKと、5局の地上波民放キー局・系列局・BS及びCS衛星放送・インターネット動画配信・ケーブルテレビからなります。

5局の地上波民放キー局は以下の通りです。

  • 「日本テレビ放送網」を中心とする日本テレビ系列(NNN・NNS)
  • 「テレビ朝日」を中心とするテレビ朝日系列(ANN)
  • 「TBSテレビ」を中心とするTBSテレビ系列(JNN)
  • 「テレビ東京」を中心とするテレビ東京系列(TXN)
  • 「フジテレビジョン」を中心とするフジテレビ系列(FNN・FNS)

そして、番組制作会社が下請けとしてそのテレビ局に協力するというのが基本構造となっています。「イマジカ」「東北新社」「TYO」といった会社が代表的な制作会社になります。

基本情報

  • 市場規模:3兆9339億円
  • 労働者数:8980人
  • 平均年齢:42.6歳
  • 平均勤続年数:13.4年
  • 平均年収:1139万円

平均年齢42.6歳、平均年収1139万円という数字だけでわかるように、テレビ業界の年収はかなり高額です。キー局の番組制作現場では30歳で年収1000万円を超えることもあり、地方局でもその平均年収は700〜800万円になります。ただし、下請けの番組制作会社の場合、30代半ばでも年収300〜500万円程度と下がるようです。

仕事内容

テレビ業界の仕事は、NHKや地上波民放キー局を中心に、制作会社と協力しながらテレビ番組を作っていくことが主になります。テレビ局側の仕事は制作、報道、編成、営業などに分かれており、衛星放送などのイベントの仕事も増える傾向にあります。

そして、その番組作りをサポートするのが制作会社の仕事になります。民放キー局にしても、そのほとんどで制作会社の力を借りて番組作りを行っています。一口に制作会社といってもさまざまで、企画から番組作りまでその大半を行う会社、部分的に協力する会社、ディレクターやアシスタントディレクターといった人材を派遣する会社、技術や美術専門の会社などがあります。

業界シェアランキング上位3位

1位:NHK:7547億円
2位:フジテレビ:6405億円
3位:日本テレビ:4147億円

平均年収ランキング上位3位

1位:朝日放送:1518万円
2位:TBS:1509万円
3位:日本テレビ:1469万円

業界の動向

TVer配信開始

2015年より、テレビ番組の広告付き無料配信サービス「TVer(ティーバー)」がスタート。民放5社のテレビドラマ、バラエティ、情報番組を放映から1週間程度の期間視聴することができるようになりました。視聴端末はPC、スマートフォン、タブレットなどに対応。スマートフォン、タブレットは専用アプリが必要になりますが、わずか2週間で100万ダウンロードを達成するなど注目度は高いです。各番組に挿入される動画CMは、各局のCMサーバーから自動配信されています。

TVerの開設により放送局を越えての見逃し視聴が可能となり、視聴者の利便性が大きく向上するのと、その視聴による動画CMからテレビ業界にさらなる収入増加がもたらされるか注目を集めています。

VODサービスとHulu

月額定額制VOD(Video On Demand)サービスとの連携も本格化しました。2014年に日本テレビホールディングスの完全子会社となったHuluの日本事業は、日本テレビのドラマやバラエティ、アニメ、映画、他系列の番組を配信しており、配信作品数は約2万作品まで拡大しました。

また2015年時点でHuluの有料会員数は115万人を超えるなど順調な伸びを見せています。

Netflix

アメリカ最大のVODサービスNetflixとフジテレビは2015年にオリジナルドラマの制作、配信などで合意したことを発表しました。『テラスハウス』の新作やドラマ『アンダーウェア』も配信され、ネット配信とテレビ放送の多彩な戦略がスタートしています。

WOWOW好調維持

有料放送のWOWOWは2015年に開局以来最高となる280万契約を達成し、引き続き好調を維持しています。これまでも人気の高かった欧州サッカーに加え、プロテニス4大大会での錦織選手の活躍が契約者との契約の延長に一役買っています。

4K、8K放送始まる

日本ケーブルテレビ連盟が2015年に4K映像の番組を流す専門チャンネル「ケーブル4K」を開設しました。フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ4K放送で、各地のケーブルテレビ局が制作した自然などをテーマにした番組を放映しています。さらに2020年の東京オリンピックに向けて、より高精細な「8K」放送もスタートする予定です。

市場動向

2014年度のNHKの事業収入と民放売上高をともに地上波放送のみで合計すると2兆8275億円(前年度比100.9%)と3年連続で市場は拡大しました。地上波民放の売上高を地域別にみると、在京キー局合計で1兆1402億円と地上波民放売上高のほぼ半分を占めています。

制作会社の2013年度の売上高は平均3億7600万円(前年度比79.2%)でしたが、売上高別構成比をみると、売上高5億円未満の会社が71.5%を占めており、「受注単価の低さ」を一因として多くの制作会社が苦戦しています。

衛星放送、ケーブルテレビの市場規模はともに5000億円前後で、横ばい状態が続いています。これは多チャンネル放送サービス契約者数の伸びがひと段落しているためです。

業界の課題

加速するテレビ離れ

テレビは長い間、最強のメディアでした。テレビ業界は就職人気も高く、影響力も圧倒的なものがありました。でもそのテレビに大きな変化が訪れました。つまり、若者のテレビ離れが急速に進行しつつあるということです。インターネットがあればテレビがなくとも困ることはなく、テレビ自体見ることが少なくなったという若者が多くなりました。

もちろん、テレビ業界はそのことを認識しています。ネットや衛星放送との連動など、新しい時代に向けての対応を進めていることはその現われですが、まだ大きな結果となってはいません。制作したコンテンツをBS・CSなどの衛星放送やインターネットでどのように展開していくのか、さらに総合的な戦略が求められています。

制作会社の賃金問題

制作会社の賃金の低さが問題になっています。

もともと同じ職場で同じ仕事をしていても放送局社員と制作会社社員では年収が2倍も違うと言われてきたテレビ業界ですが、孫請け中心の零細制作会社では、30代で年収300万円程度というのも珍しくはなく、朝から晩まで長時間拘束されることも考慮すれば、時給ではアルバイトのほうが上になることも起こり得る事態になっています。

アメリカでは大手制作会社が独立した立場でコンテンツを制作し、その放送権をテレビ局に売るビジネスモデルが確立しています。両者は対等な立場にあり、そこが日本と大きく異なる点となっています。視聴者に有益なコンテンツを制作することはこれからのテレビ業界にとってなくてはならないものですので、賃金や雇用システムも含めて今後見直しをしていかなくてはなりません。

業界の今後の将来性

テレビ業界はどこまで現状を維持できるか

博報堂メディアパートナーズ・メディア環境研究所「メディア定点観測」によると、東京地区のインターネット接触時間は毎年増え続けており、2005年に1日60分程度だったのが、2015年には1日180時間程度と約3倍に増えています。そして、PCでのインターネット接続時間は減少化傾向にあり、スマートフォンやタブレットを含むモバイルでのインターネット接続時間が長くなっています。

つまり、既存のマスメディアは消費者の接触頻度の低下を止めることができず、現状維持以上を望むことが困難であることを意味しています。そして、インターネットも主要な視聴手段がPCからモバイルに、ブラウザからアプリに替わるなど、その進化のスピードが圧倒的に速くなっています。

テレビ自体は最強のメディアではなくなりつつありますが、ネットと融合することで新たな存在に変わろうとしている最中にあります。そして、コンテンツ制作の経験と蓄積があることがテレビ業界にとって大きな財産となっています。

テレビ業界は、既存分野の固定費を抑制しながら、このコンテンツ制作の経験と蓄積を活かしていけるかが大きな鍵となります。余力のない放送局は、救済的な再編では共倒れになる可能性も高くなりますが、行政も新たなメディア像を定義する段階にあるため、規制緩和の検討も視野に入れて経営をしていく必要があるでしょう。

おすすめの業界研究本

『日経業界地図 2017年版』

日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。

『会社四季報 2017年 2集春号』

国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのが人気の理由です。

『放送業界の動向とカラクリがよくわかる本』

テレビ業界というものについてわかりやすく丁寧に解説していますが、残念なことに2013年発行と決して新しくはなく、時代遅れになっている点も多々あります。ですので、業界研究をする就職学生の方々はその点を踏まえた上で、あくまで参考程度に読むことをおすすめします。

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