【業界研究】自動車業界の現状・動向・課題について

自動車業界の現状

自動車業界は、過去にも合併集約を乗り越えて、今の自動車製造メーカー数に落ち着きましたが、今までの自動車製造メーカーだけで競争してきた時代から、環境変化と技術の進化に伴い、電機メーカー、ベンチャー企業とも競争しなければならない、新たな時代への過渡期ともいうべき大事な局面の真っただ中にあります。

その環境変化についてですが、自動車市場は、従来の国内生産で車体完成品を海外に輸出していた時代から、経済摩擦問題でその1番の問題としてクローズアップされたことから、今や現地で生産する方法へと切り替わっています。

また、今の主なマーケットは新興国となりますが、理由として新興国が経済発展とともに生活水準が向上し、オートバイから自動車へのニーズ移行に因るものです。

それに伴い化石燃料を使用する自動車の排気ガスが、現地での大気汚染や温暖化を引き起こし、地球規模の深刻な環境問題を引き起こしています。それが引き金となり、化石燃料にアルコールを混ぜてCO2排出量を減らす試みや、バイオ燃料の採用する試みが各国行われています。

しかしながらそれは、今までの化石燃料を使う事には根本的に変わらないことから、全く、排気ガスの出さない車への転換のニーズが高まっているのです。

ですので、技術の進化に合わせて、今や自動車は動力源を化石燃料を主としたエンジン+走行時に発電した電気で走るHV(ハイブリッド)、100V・200Vの家庭用電源で充電した電池で主として走り、電池を使い切ったらガソリンエンジンで走行するPHV(プラグインハイブリッド)が、今やかなり普及していますが、そこから先への化石燃料に頼らない車への変化を遂げようとしているのです。

それこそは、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)などに代表される、化石燃料に依存しない次世代自動車へのシフトが加速しているのです。

基本情報

  • 業界規模:60兆3,720億円
  • 労働者数:206,811人
  • 平均年齢:39.9歳
  • 平均勤続年数:17.5年
  • 平均年収:688万円

引用元:http://gyokai-search.com/3-car-buhin.htm

仕事内容に関しては、開発(製品開発、開発管理、生産技術)、生産(製造部門、生産管理)、購買、品質(社内、市場)、管理(経理、総務、IT、法務)と言った大きな区分ができます。

製品開発は、新規車両の開発はもちろんの事、現状、市場に出回っている車両の品質状況の監視と品質改良を行い、車両図面の改廃管理や開発スケジュールの進捗状況を管理します。また、生産技術に関しては、新規車両の生産を実現するに際して、製法の確立と生産品質の安定を目指して生産設備や生産手法を開発する役目を担います。

生産は、製造部門は読んで字のごとく車両の製造を担う部門で、生産管理は販売店からのオーダー車両を纏めあげ、納期通りに希望する台数を納められるよう製造部門に対して生産指示を出すとともに、製造部門への生産車両の車種、タイプ、生産台数を伝え、購買には調達する部品を部品別、納期、数量を伝達する役目を担います。

購買は、車両生産に必要な部材を、部品生産担当メーカーへ納期、数量を伝えて、車両生産に支障が出ないように調整、無論、価格折衝も実施します。

品質は、社内と社外の2つに分かれますが、社内に関しては、部材生産担当メーカーから納品された部品を、図面通りの規格に合ってるかどうか検査し、社内の生産過程で不具合を発生させないように配慮するとともに、万が一、生産時に不具合が発生した場合は不具合の解析を実施して、開発、製造部門へ結果を伝え、
改善を促す役目と、社外に関しては、販売店よりの不具合情報収集と情報の共有化により、社内への関係部署へ情報共有と対策を推進する役割を果たし、市場での発生頻度や安全に影響を及ぼす影響によっては、サービスキャンペーン、リコールと言った展開を実施します。

業界シェアランキング上位3位

業界シェアランキングは、下記の3社となっています。

1位:トヨタ自動車 25兆6,919億円 42.6%
言わずとも知れた、世界No.1販売台数を4年連続で達成した、日本を代表する自動車メーカー。事業は自動車だけでなく、住宅事業、金融事業、マリン事業、バイオ・緑化事業と多岐方面にわたる。

2位:日産自動車 10兆4,825億円 17.4%
カルロス・ゴーン社長の起こしたゴーン旋風で知られる日産自動車、ルノーグループに属します。EVに関しては国内の先駆者的メーカー。
最近では、エンジンで発電して、電気で走るNOTEが販売好調。

3位:ホンダ(四輪事業) 9兆1,763億円 15.2%
オートバイメーカーから、汎用事業、自動車へと事業拡大をし、最近では、ロボット事業、航空機事業と幅広く展開、自動車に関してはEV、FCVへの展開を急ぐ。

引用元:http://gyokai-search.com/3-car.htm

平均年収ランキング上位3位

1位:トヨタ自動車 794万円
2位:日産自動車  766万円
3位:ホンダ    765万円

引用元:http://gyokai-search.com/3-car.htm

業界の動向

今や自動車産業は、世界的資本・業務提携時代に入り、世界の自動車メーカーと提携しています。日本の自動車メーカーもその例外ではありません。

色々な地域に応じて、地の利を生かすこともあるでしょうし、最近は車の電子制御化が加速して、システム自体が複雑なうえに高度化してることも相まって、単独で開発するよりは、数の論理で増量したほうが1台当たりの開発費が安くなりますし、地域市場の動向は、その地域に存在するメーカーを利用したほうが、新たな販路を0から構築するよりリスクが低いからです。

一方、日本に目を向けてみると、最近の動向では3グループに分かれると言っても過言ではありません。というのは、トヨタを中心にした、ダイハツ、マツダ、スバル、スズキのトヨタグループ、日産と三菱の日産グループ、ホンダ単独と言ったグループに大別されます。

これは、各々の特徴というか、持ち場を生かして、今後を生き抜く戦略の表れとも言えます。

市場動向

今は化石燃料から、次世代自動車へシフトする過渡期にあり、時代の裂け目と言う表現が適切かどうかは分かりませんが、業界研究から言えることは、大きく自動車自体が技術革新で変わろうとする時期に来ています。

理由は、今までの技術の踏襲では、次世代自動車を作り出せないことから、新技術に経営資源の集中が見られます。

それは、既存技術の自動車開発領域は、環境技術や自動運転などのその複雑な電子制御ゆえに、従来の機械的マッチング確認の必要性が低下してるので、汎用性のあるものについては、開発初期からシステムメーカーに任せるか、既存のものを金を掛けずに極力流用するという流れになっています。

なので、自動車メーカーは、次世代の自動車に開発費を投入して、数の論理で自分のところの技術を主流にし、それと同時に1台当たりの開発費負担を軽くして、安くして数を売り、自動車市場を席巻したいのです。

しかしながら、技術革新が進みが早く、時代の流れがEV(電気自動車)になったことによって、皮肉にも新たな競争相手を作り出すことになってしまいました。

それは電子部品業界という、昨日まで取引先だったメーカーや、ベンチャーの参入を許すことになってしまいました。

理由は、従来の内燃機関で構成されていた自動車は、部品点数がおよそ3万個と非常に多いことから、新規参入は困難と言われてましたが、EV(電気自動車)になることに因って、その機械的部品点数が激減してしまったのです。

これによって、EV(電気自動車)は電子部品と言うハードウェアと、制御ソフトというソフトウェアで、構成されるようになってしまいました。

業界の課題

環境技術、エネルギー制約の要求の高まり

新興国の排ガスに因る大気汚染問題から、世界的な環境技術の高まりと化石燃料使用に対する制約が高まることで、従来の化石燃料をエネルギー源とする車の販売が、規制されていく地域が増えて行く事は容易に予想できます。

今現在、化石燃料に代わるものとして、バイオ燃料が研究されていますが、技術的限界としてE3(エタノール3%)上限があることから、現在の内燃機関を素材から変えて研究し、排気ガスを少なくするよりも、一気に次世代自動車にシフトしたほうが容易です。

運転者の高齢化の進行

自動車を運転するのにも、高齢化社会の進行により、何らかの形で運転が困難になる事が想定される。現在でさえも、視認能力低下に因る信号見落とし、高速道路逆走、ペダル踏み間違えに因る暴走事故など、数えたらきりのないパターンの事故が起きています。

人口の地域集中による過密化と流出に因る過疎化

都市部に関しては、交通インフラが整備されている関係もあり、自動車を個々に持っていたのでは経費が掛かり過ぎたり、流入量が多い地域では交通渋滞が頻繁に起きる関係から自動車を持つ必要性が薄れています。

逆に、人口流出が多い地域では、過疎化により交通インフラの採算性が成立しないことから、多少経費がかかっても自動車を個々に持つ必要性がありニーズと経費のバランスが取れない。

インフラの整備

次世代自動車へのシフトすることにより、エネルギー源を供給するインフラストラクチャー(社会基盤:充電ステーション、水素ステーション)の整備が立ち遅れている。EV充電ステーションは、段々増えてきているが、EVが増えた場合にはまだまだ足りない状況であり、利用する際のルール構築も必要である。

また、FCV(燃料電池車)に関しては、水素ステーションは皆無に等しい状態です。

業界の今後の将来性

今後、主流となる自動車は、環境規制の側面から見ると、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)が有力と見られていますが、いずれにしても、電気化は避けて通れないものであることと、構成は大きく分けて、ハードウェアとソフトウェアに2分される形となると思われます。

業界の最近のニュースでは、HONDA&Waymo(Google子会社 自動運転)など異業種の連携のニュースが取り上げられており、ハードはHONDA、ソフトはWaymoというように開発が2分されて構成されています。

また、前述の課題を解決するのには、自動運転、AI(人工知能)という進化途中の新技術の熟成は必要であり、これを実現することによってカーシェア、ライドシェアなどの新しい需要も拡大するものと考えられます。

それ故に、今後の車はソフトウェアのクオリティに車の出来の良し悪しが左右される確立が高くなると思われます。従来の自動車メーカーとベンチャーとの技術的覇権争いがソフトウェアを中心に激化するのはこの先間違いなく発生する状況です。

しかしながら、まだ次世代自動車の最終潮流が決まったわけではないため、自動車メーカーも流れに乗り遅れて一気に敗者に転じるのを避ける為に、経営資源を絞り込めずにHV、PHV、EV、FCVと手広く開発しているのが実状なのです。

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デロイトトーマツコンサルティングが著者となってるが、トーマツという名称でも分かるように、日本の会計監査法人との合同のグループ法人の監察から、業界全体を述べた書籍。

技術的なことは述べてないが、業界の客観的分析と言った観点からは参考になる。

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現状の自動車業界の置かれている環境と、安全技術、環境技術、自動運転という技術革新を絡めて、データを集めて言及しているので、情報収集の手間が省けます。

図解入門業界研究最新自動車業界の動向としくみがよ~くわかる本[第2版] (How-nual図解入門業界研究)

自動運転など、最近の情報は載ってませんが、自動車業界概要としては参考になると思います。