間違いが多い「結構です」の正しい使い方と例文

「結構です」は敬語?

ビジネスの場でよく使われる敬語表現に「結構です」というものがあります。
「こちらでよろしいですか?」という問いに「それで結構です」と返すように、相手の提案に満足しているさまを表す言葉です。「結構です」は日常的に聞かれる敬語表現ですが、使い方には注意が必要です。なぜなら「結構です」は本来、目上の人に使ってはいけない言葉だからです。

言葉の分類上、「結構です」は敬語に含まれます。しかし、敬語には大きく分けて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があることを理解しなくてはなりません。「尊敬語」は目上の人に対して使う言葉、「謙譲語」は自分をへりくだらせた表現、「丁寧語」は相手の身分に関わらず丁寧に話す言葉を言います。この中で、「結構です」は丁寧語に分類される言葉です。丁寧語は敬語の中では最も軽い表現であり、上司から部下、または客から店員に対して使われる敬語となります。つまり、「結構です」は目上の方が目下の方に対して使われる言葉にあたるのです。

「結構です」は分類としては敬語に含まれますが、厳密には丁寧語なので使い方を間違えると失礼な表現になりかねません。

間違いやすい「結構です」の意味

「結構です」は、2種類の意味で使われることがあります。同じ「結構です」という言葉でも、相手の提案を肯定する場合と、相手の提案を否定する場合があるのです。

「ご注文は以上でよろしいですか?」という問いに対して「結構です」と答える場合は、肯定の意味になります。この場合の「結構です」には、「注文は以上でよろしいです」という意味が込められています。

逆に、「結構です」が否定の意味で使われることもあります。例えば「もう一杯お茶をいかがですか?」に対して「結構です」と答えた場合は、否定の意味になります。この場合は、「もうお茶はいりません」という意味が込められています。

同じ言葉なのに意味が真逆になってしまうのは、「結構です」の本来の意味が「満足しました」という感情を表す言葉だからです。「ご注文は以上でよろしいですか?」に対する「結構です」は、「(もう満足いくまで注文したので)結構です」ということになります。また、「もう一杯お茶をいかがですか?」に対する「結構です」は、「(もう満足いくまで飲んだので)結構です」という意味になります。

つまり、肯定で使う場合も、否定で使う場合も、「結構です」の持つ「満足しました」という本来の意味は変わっていないのです。もともと否定の意味が含まれた言葉ではないため、単に「いりません」「必要ありません」という意味で「結構です」と言うのは、言葉の使い方として正しくありません。「もう満足です」という意味を含む場合のみ、「結構です」という言い方が出来ますので、間違えないようにしましょう。

「結構です」の使い方

日常会話の中で「結構です」と言う場合は、言葉の使い方に注意が必要です。
「結構です」は丁寧語ですが、使い方を間違えるとぶっきらぼうな表現に聞こえる場合があります。

例えば、「おひとついかがですか?」と聞かれて、一言「結構です」と言うと、相手は気遣いを無下に扱われたと感じてしまうかもしれません。そうした場合は、「もうお腹いっぱいなので結構です」というように、頭に理由を付け加えておくと良いでしょう。

また、気を付けたい使い方として、「結構です」がどちらの意味にも取れる場合があります。「○○でいいですか?」という相手の提案に対し、「結構です」と言うと、「(○○で)結構です」なのか、「(○○じゃなくても)結構です」なのか解りません。勘違いを防ぐためにも、ちゃんと「○○で結構です」もしくは「○○でなくて結構です」と一言補足しておきましょう。

「結構です」という言葉は、短い文字数の中にたくさんの意味を含めることの出来る便利な表現です。しかし、時と場合によって意味が変化しやすいため、相手に真意が伝わりにくいこともあります。相手にマイナスの印象を与えないために、自分がどのような意味を込めて「結構です」と言ったのか、理由を付け加えて使いましょう。

「結構です」は失礼になる?

「結構です」は、目上の方に使うと失礼にあたる表現です。なぜなら「結構です」は敬語の中で最も軽い表現の丁寧語に分類される言葉で、基本的に上司から部下に対して使われる言葉だからです。

上司から「君にこの仕事を頼んでもいいかな?」と聞かれて、「結構です」と返すのは間違いです。この場合は、「構いません」か「問題ございません」という返答が正しい敬語表現となります。

丁寧語の「結構です」だと、上司に対して上から発言したと捉えられてしまう可能性がありますので、出来るだけ尊敬語や謙譲語に言い換えるようにしましょう。

ただ、「結構です」はもともと、「満足です」という意味の言葉です。お茶の席などで、「結構なお手前で」というのがもともとの使い方でした。そのため目上の方に対しても、褒め言葉として「結構」という言葉を使うぶんには問題ありません。目上の方からお中元やお歳暮を頂いたとき、「結構なお品物を頂戴しました」というふうに礼を述べるのは正しい表現です。

最近では「結構です」が尊敬語などと混同され、目上の方に使っても殊更注意されるということは少なくなりました。しかしもともとの意味から考えると、やはり目上の方に使うには少し失礼な敬語表現にあたりますので、出来る限り使わない方が賢明と言えるでしょう。

「結構です」はあいまいな言い方?

「結構です」は、状況によって意味が変わってしまう言葉です。そのため、使い方を間違えるとかなりあいまいな表現になってしまうことがあるので注意が必要です。

例えば、「この仕事は私が担当してもよろしいですか?」という問いに「結構です」と返すと、肯定にも否定にも取れますね。「あなたが担当しても良いです」という意味の「結構です」なのか、「あなたがやる必要はありません」という意味の「結構です」なのか、この一言だけでは断定できません。

「結構です」という一言だけでは、どちらの意味にもとれるあいまいな表現になってしまうのです。このような場合は「担当者はあなたで結構です」と補足を付け加えるか、「あなたがこの仕事を担当してください」など他の言い回しを使うようにします。もしくは、「はい、結構です」「いいえ、結構です」というように、あらかじめ質問に返答してから「結構です」を付け加えるようにしましょう。

目上の方から目下の方に対して「結構です」を使うことは、言葉遣いとしては間違っていません。しかし、業務連絡などの大切な場面で「結構です」を乱用することは、連絡ミスや勘違いなどのトラブルに繋がる可能性があります。こうしたトラブルを防ぐために、業務上の大切な連絡事項には「結構です」というあいまいな表現を使うのは控えましょう。

「結構です」と「構いません」の使い分け方

「結構です」を目上の方に対して使うのは失礼にあたります。そのため、目上の方に対しては「結構です」ではなく「構いません」という言葉を使うことができます。

「構いません」は、差支えが無いことを示す「構わない」という言葉の敬語表現です。目上の方から「○○の仕事をお願いできるかな?」と聞かれた時などに「構いません」と返答できます。「結構です」とは違い、「構いません」は目上の方に対して使っても問題ない表現です。

目上の方から目下の方に対しては「結構です」を、目下の方から目上の方に対しては「構いません」というふうに使い分けましょう。ニュアンスが少しだけ違いますが、基本的には相手と自分の関係によって使い分けることができます。

ただし、「構いません」も「結構です」と同様、使い方によっては失礼にあたることがあります。「構いません」には「相手に対して許可を与える」というニュアンスが含まれているからです。

例えば「少し遅れます」と言う相手に対して「構いません」と言うと、敬語としては間違っていませんが、やや上から目線の言い方に聞こえてしまいます。受け取り手に悪印象を与えないためには、「ごゆっくりお越し頂いて構いません」と付け加えるか、「ご心配なく、時間をお気になさらず気をつけてお越しください」というように別の言い回しを考えましょう。

また、就活生に気をつけて欲しいのは、面接での言い回しです。面接官の「履歴書を拝見してよろしいですか?」という言葉に、「結構です」や「構いません」と返すのは間違いです。社会人同士での書類のやり取りの場合なら「構いません」と言いますが、就活の時は「はい。よろしくお願いいたします」と返しましょう。

就活では、こうした場面で正しい言葉選びが出来るかどうかという点も、採点基準になってきます。「構いません」は使い方を間違えると上からの発言に聞こえるため、就活生は出来るだけ言わないようにしたほうが良いでしょう。

「結構です」の例文3つ

ここでは、ビジネスシーンで「結構です」と返答することのできる例文をご紹介しましょう。同じ「結構です」という言葉でも、状況によって様々な意味に使い分けることが出来ますので参考までにご覧ください。

1.相手の提案を肯定するときに使う「結構です」

部下「○○さん、先ほどチェックをお願いした書類ですが、何か不備はありませんでしたか?」

上司「はい。先ほどの書類はあれで結構です」

この場合、「結構です」は肯定の意味で使われています。部下が作成した書類に不備はなく、「もう十分な出来ですよ」という意味で「結構です」が使われています。本来は「満足です」という意味を持つ「結構です」の正しい使われ方ですね。

2.相手の提案を否定するときに使う「結構です」

店員「お客様、よろしければ新商品のご試食もいかがですか?」
客「いえ、せっかくですが結構です」

この場合は、店員の提案を「結構です」で否定している形になります。「結構です」そのものに否定の意味はありませんが、この言葉には「満足です」という意味が含まれています。

つまりこの会話の流れでは、客が「(ご厚意は嬉しいが、もうお腹がいっぱいなので)結構です」と言いたいことが解りますね。「結構です」には、単に「必要ない」という意味ではなく、「すでに満足しているので」という意味が込められているため、目上の方から目下の方に使うぶんには丁寧な遠慮になります。

3.相手に許可を与えるときに使う「結構です」

面接官「エントリーシートにあなたの自宅の電話番号を記入しておいてください」

就活生「自宅に固定電話を引いていないのですが、どのようにすればよろしいですか?」

面接官「固定電話が無い場合は、携帯電話の番号で結構です」

「構いません」と同様、相手に許可を与える場合にも「結構です」と言う場合があります。「都合の良い日で結構です」「空欄のままで結構です」など、相手の都合に合わせるときの丁寧語として使うことができます。

しかし、あくまで目上の方から目下の方に対してのみ使える表現なので、例えば店員がお客様に対して「タバコをお吸いになられても結構です」と言うことはできません。

「結構です」の言い換え表現

「結構です」の言い換え表現には「構いません」という言葉がよく使われます。
しかし「構いません」も場合によっては上から目線の発言にとられてしまうことがあるため、使い方には注意が必要です。

そこで、「結構です」に代わる丁寧な敬語表現を学んでおきましょう。目上の方に対しても使える表現に言い換えることで、ビジネスシーンや就活の場でも相手に好印象を与えやすくなり、会話がスムーズに進みます。「結構です」の主な言い換え表現には、以下のようなものがあります。

「そちらの条件で結構です」→「そちらの条件で問題ございません」

「ごゆっくりお越しいただいて結構です」→「ごゆっくりお越しくださいませ。お待ち致しております」

「結構です。お待ちしております」→「承知いたしました。お待ちしております」

「こちらの空欄は記入しなくて結構です」→「こちらの空欄はご記入いただかなくて構いません」

「○○様のご都合に合わせて頂いて結構です」→「○○様のご都合に合わせて頂ければ幸いです」

「お好きな恰好でお越し頂いて結構です」→「お好きな恰好でお越し頂いて差支えありません」

冷たい印象を与えない「結構です」の言い方

「結構です」は、目上の方が目下の方に向かって使う分には正しい敬語表現です。仕事の指示をするときや、遠慮の表現として使用することができます。

しかし、いくら間違っていないといっても、言葉の使い方次第では冷たい印象を与えてしまう可能性があります。

例えば部下から「良ろしければおひとついかがですか?」とお菓子を勧められたとき「結構です」とだけ返答すると、せっかくの気遣いをぶっきらぼうに断られたという印象を与えてしまいます。
こうした場合は、「結構です」の前に「せっかくだけど今お腹がいっぱいだから」や「ありがとう。でも私は甘い物が苦手だから」など、相手の気遣いに対する感謝と、断った理由を述べるとよいでしょう。

たった一言添えるだけで、相手に冷たい印象を与えずに「結構です」を使うことができます。

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